PTCは1月21日、SaaS型製品開発プラットフォーム「Onshape」の日本語版が完成したこと、ならびに併せて日本市場への提供を本格的に開始することを発表した。
同社はこれまでもSaaS戦略を強化していく方針を掲げており、その方針に基づく形で、2019年10月SaaS製品開発プラットフォームを提供するOnshapeを買収することを発表したほか、2020年にはSaaS PLMベンダのArena Solutionsの買収を発表するなど、積極的な事業強化を図っている。
OnshapeはCADの機能とデータ管理やリアルタイムコラボレーション機能を持つ製品開発プラットフォームで、PTCは、同製品について、特にコラボレーションが得意なプラットフォームだとしており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下におけるリモートワーク中にも、製品開発を滞ることなく進めたいという需要からか2020年に他社のCADからOnshapeに移行した企業は700社以上あったという。
また、リモート授業の実施を余儀なくされている大学、高校などの教育界においてもユーザーを伸ばしているとしている。なお、PTCではOnshapeを活用した学生向けのデザインコンテストを2021年2月28日まで行っている。
その特徴はコラボレーション機能で、共同でプロジェクトを進める者同士、互いのCADデータをクラウド上で展開し、図面を確認し合うことが可能なため、コメント機能やチャット機能を活用し、互いに離れた場所にいながらも協力して作業を進めることが可能だという。
PTCは今後、Onshapeの技術を利用したSaaSプラットフォーム「Atlas」上に同社が提供する3次元設計ソリューション「Creo」、IoTソリューションプラットフォーム「ThinigWorx」、PLM「Windchill」などのアプリケーションを近々追加していく予定だとしているほか、Arenaについても2021年後半にも日本市場に投入したいとしており、Onshapeの提供をを皮切りに、国内市場でのSaaS戦略を強化していく構えだ。