野村総合研究所(NRI)は12月11日、企業やデータセンターのシステム運用管理を効率化するために用いるツール群の新バージョン「Senju Family(センジュファミリー) 2021」を順次提供開始すると発表した。
昨今、急速に広まったリモートワークにおいてシステム運用でもリモート作業を可能にするインフラ整備が求められており、既存のシステム運用環境への安全・安心なリモートアクセスに加え、社内外の関係者との連携、柔軟なワークフロー、マルチクラウド環境の統合管理などが求められている。
今回の新バージョンではチャットツールなど外部ツールとの連携により、リモートワークによるシステム運用の効率化、およびマルチクラウド環境の統合管理機能の強化を行っている。また、AI(人工知能)を活用した自律型運用ソリューションにおいては、運用管理に関する蓄積されたナレッジを、より効果的に活用する機能を実装している。
今回、強化したSenju Familyはシステム運用管理(Senju/DC)、サービスデスク(Senju/SM)、AI活用自律型運用(Senju/ASM)、統合運用管理(Senju/EN)の4つ。
Senju/DCではDocker/Kubernetesへの対応や、Webhookによるクラウドネイティブアプリケーションとの連携などにより、マルチクラウドの統合管理機能を強化。また、RestAPI公開によるツール連携により、チャットツールやサービスデスクツールなどからのシステム運用作業を可能にしている。
Senju/SMはユーザインタフェースを刷新し、タスク管理やステータス確認の視認性を向上したほか、1チケットに対し複数の承認フローを回せる機能や、どの段階でも承認者を選択できるなど承認フロー機能を強化した。
Senju/ASMは属人化しがちなシステム運用に関するノウハウを、ナレッジワークフローとして形式知化し、今回の新バージョンでは運用業務の流れが記載されるワークフロー画面の閲覧性を向上させ、ナレッジワークフローの利用率向上と業務自動化の推進を行う。
Senju/ENはルールエンジンの強化とイベント処理機能を拡充させている。なお、Senju Familyをベースしたクラウド型システム運用基盤の「mPLAT3」も今回のバージョンアップに伴い、順次機能を更新していく考えだ。