レッドハットは12月9日、Kubernetesプラットフォーム「Red Hat OpenShift」のパートナー・エコシステム支援プロジェクトとして、「Red Hat Kubernetes Operator Project」を国内で始動すると発表した。

レッドハットは昨年12月、OpenShiftのマネージドサービスの運用ノウハウ、技術情報やベストプラクティスを共有し、システム運用担当者の育成による安定したサービス提供を目指すためのパートナープログラム「Red Hat OpenShift Managed Practice Program」を開始したが、今回はOpenShiftのパートナープログラム第2弾となる。

常務執行役員 パートナー・アライアンス営業統括本部長の金古毅氏は、「Red Hat OpenShift Managed Practice Programはマネージドサービスの活用によって、企業におけるKubernetesの運用の手間を提言することを目的としていた。Red Hat Kubernetes Operator ProjectはISVを対象に、アプリケーション運用の自律化を支援することを目的にしている」と説明した。

  • レッドハット 常務執行役員 パートナー・アライアンス営業統括本部長 金古毅氏

  • OpenShift Partner Ecosystemの概要

金古氏は、デジタルサービスが爆発的に増加する中、「リソースの散財」「運用の複雑化」「信頼性の欠如」といった課題が生じているが、これらの解決にあたっては、アプリケーションの信頼性と可搬性を提供できる環境が必要であり、それを実現するのが「Red Hat OpenShift」と述べた。「Red Hat OpenShiftとパートナー企業のソリューションを組み合わせることで、価値を創出し、顧客の課題解決やデジタルトランスフォーメーションを促進する、」(金古氏)

「Red Hat OpenShift」はアプリケーションのコンテナ化とアプリケーション運用のOperator化によって、人による運用管理を最小化して自律化を実現する。Operator化とは、例えば人手で行っている障害対応などの作業を定義して、Kubernetesにおいて自動で実行できるようにすることを指す。OperatorはKubernetesの仕様に含まれているものであり、レッドハット独自の機能ではない。

同プロジェクトでは、参加者に対し、開発環境、トレーニングを提供するとともに、認定取得を支援する。開発環境に関しては、OpenShiftパートナよりクラウド上でOperator開発環境を提供し、無償でOpenShiftのサブスクリプションを提供する(NFR)。

  • OpenShift Partner Ecosystemの参加者の条件と支援内容

同日時点で、下図の10社が同プロジェクトに参画している。Operator開発検証を支援する体制に関しては、無償と有償がある。無償の支援は日本IBMが、有償の支援はコムチュア、サイオステクノロジー、リアルグローブ・オートメーティッドが支援する。

  • OpenShift Partner Ecosystemに参画している企業

同プロジェクトに認定されたソフトウェアは、KubernetesのOperatorの一覧を提供するポータルサイト「OperatoreHub.io」、Red Hat製品と稼働するハードウェア・ソフトウェアで認定製品を検索できるポータル「Red Hat Ecosystem Catalog」、「Red Hat Marketplace」において提供する。

「Red Hat Marketplace」は、Red Hat OpenShift環境向けRed Hat認定のOperatorに対応したソフトウェアを検索し、購入・デプロイ・管理が行えるマーケットプレイスだ。2021年に一般公開される予定。