ソニーは10月14日~16日にかけて神奈川県のパシフィコ横浜にて開催されているバイオビジネスに関する展示会「BioJapan 2020」にて、スペクトル型セルアナライザーのハイエンド機種「ID7000」などの紹介を行っている。
ID7000は、同社のスペクトル型セルアナライザーの最上位機種という位置づけで、最大7つのレーザーと計186チャネルの光検出器、解析アルゴリズムを組み合わせることで、44色以上の多色細胞解析をシンプルな操作で効率的に実現するセルアナライザー。初出荷は2020年9月に、海外企業に向けて行われたほか、国内企業にも11月以降、順次出荷が開始されるという。
また、同社ブースでは、ライブセルイメージングシステム「SI8000」ならびにセルソーター「MA900」の紹介も行われている。
SI8000は、自社で保有する動画像解析技術を細胞分析に応用することで、非染色・非侵襲の細胞評価を可能にしたイメージングシステム。 これにより、培養細胞の環境を維持したまま高速かつ高解像度に解析することが可能となり、従来手法では観測できなかった微細な動きの定量評価を実現することができるようになったとする。また、カメラで撮影された画像を独自のアルゴリズムで自動的に解析するだけなので、従来必要であった染色などの専門技術や特殊な基材は不要であり、これにより細胞評価手順の効率化を図ることができるようになるとする。
一方のMA900は、最大12色の蛍光同時検出と4方向ソーティング対応 全自動セットアップのセルソーター。全自動セットアップ機能により、簡単な操作で、誰たでも信頼性の高い測定を行うことができるという特徴を有している。 また、マイクロ流路技術による、ディスポーザブルの交換式ソーティングチップをはじめとする独自の構造により、流路管理をはじめとする複雑な機器管理に煩わされることなく利用することが可能という特徴も有している。
このほか、同社ブースではMA900で用いる3種類のソーティングチップ(70μm、100μm、130μm)の実物も展示しており、MA900の実機と組み合わせた紹介なども行われている。
なお、ソニーのライフサイエンス事業は、近年、その製品ラインアップの拡充と、高機能化などに伴って、順調に事業規模を拡大させており、バイオ分野における存在感も高まりを見せているという。今後も、高機能・高性能化を進めていくことで、さらにその存在感を高め、これからのバイオ産業に必須の装置メーカーとしての立ち位置を確保していきたいと同社担当者は意気込みを語っていた。