ミスミグループは8月25日、機械加工部品調達オンデマンドサービス「meviy(メヴィー)」で調達することが可能な部品を対象として、中小製造業1社あたり最大10万円分の製造装置・設備部品を無償で提供するキャンペーンを実施することを明らかにした。

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  • meviyの概要 (資料提供:ミスミ)

ミスミグループ本社 常務執行役員3D2M企業体社長の吉田光伸氏は、「日本製造業の労働生産性は、年々低下してきており、2010年にトップ10から陥落。2017年には圏外へと消えてしまった。製造業における設計、調達、製造、販売のバリューチェーンにおいて、調達領域以外はデジタル化が進んでいるが、調達についてはいまだに紙の図面でのやり取りが多く、ボトルネックとなっている」と指摘。これをデジタル化し、手間がかかっていた部分の時間を減らすことができれば、産業競争力の向上につながるとの見方を示し、それを実現するサービスが「meviy」であるとする。2か月に1回程度の頻度で新機能の追加やサービスの拡充を行ってきたほか、2020年7月にはシステムの全面刷新を実施。新システムでは無駄な冗長なコードの整理などを図ることで、サイトレスポンスを15倍に向上、アプリ開発・保守効率を4倍に向上させたとしている。

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    ユーザビリティの向上や新機能の追加、サービスの拡充などを図ることで、2020年第1四半期のユーザー累計数は4万5000を超えるまでに拡大したという (資料提供:ミスミ)

製造業は日本のGDPの2割を構成する基幹産業の1つであり、その数は38万社とされるが、そのうち大企業は1%ほどで、残り99%が中小企業とされる。同社が実施した中小企業に対する調査の結果、「成長企業ほど仕事をする中で時間が足りないと感じていることが分かってきた。また、時間不足の解消にITツールを活用し、業務の効率化を図り、生み出した時間で付加価値の向上に注力することで、好業績を達成している」という結論を得たという。この調査結果を踏まえ、同社はmeviyを活用した中小企業支援を行っていくことを決定したとする。

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  • 中小企業の中でも成長を果たしている企業は時間を生み出すためにITの活用を推進していることが独自の調査によって分かってきた (資料提供:ミスミ)

吉田氏は、「meviyを使って圧倒的な時間創出を図ってもらうことで、その空いた時間を付加価値の向上につなげてもらいたい」とする。具体的にはmeviyが提供するすべてのサービスで扱っている部品(meviyで調達することのできる型番の先頭にMVがつく部品。ミスミカタログ掲載品は対象外)を、申し込み法人あたり最大10万円まで無償で提供するキャンペーンを実施する。また、申し込み期間は2020年8月25日から同年12月31日までを予定しているが、支援決定企業数が100社に到達した時点で前倒しで終了となることに注意が必要となっている。

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    meviyものづくり中小企業支援プロジェクトの概要 (資料提供:ミスミ)

「このプロジェクトで、日本の製造業の強化、ひいては新型コロナからの復興につなげてもらいたいというのが我々の想い」(吉田氏)とのことで、すでに多くの中小企業にmeviyは利用してもらっているが、この支援策を通じて、競争力を高めていってもらいたいとしている。

ミスミでは今後、サービス提供範囲の拡大を今後も進めていくとするほか、すでに取り交わしているプロトラブズとのアライアンスのような世界の有力サプライヤとのアライアンスを強化していくのと併せて、北米を中心とした海外展開の本格化を進めていくことで、今後の事業拡大につなげていきたいとしている。

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    今後のmeviyの方向性 (資料提供:ミスミ)

なお、今回進められるプロジェクトについて、適用されるか否かについては、応募書類に記載された内容をもとに事務局が審査を実施(審査は申し込み企業ごとに順次進めていくとしている)。審査結果を申し込み企業に通達し、適用が決定されれば実際にサービスを利用することが可能となる流れとなっている。