NTTドコモは5月29日、場所を選ばずスマートフォンで簡単に顔認証による入退管理ができる、5Gにも対応したソリューション「Easy Pass powered by SAFR(イージーパスパワードバイセイファー)」を法人向けに提供すると発表した。
同ソリューションは、専用アプリをインストールしたスマートフォンのカメラを入退場者の顔に向けるだけで、登録された顔写真データとリアルタイムで照合し、入構許可者かどうか、入構済みかどうかの状態などがその場で確認できる。スマートフォン一つで認証できるため大がかりな工事は不要で、場所の変更にも柔軟に対応できる。
利用シーンは、主に製造業、二次産業(電気・ガスなど)における工場、プラントでの入退管理が想定される。そのような施設では、広い敷地にバスや乗用車で入構し、入場ゲートで下車、入場登録、IDカードを提示するなど多くの時間を要する上に、IDカードの目視確認では人的ミスやなりすましなどセキュリティ上の課題がある。また、屋外の場合は認証機器の防水対策も必要で、導入までに費用や時間を要する。
同ソリューションでは、 同社のネットワーク内に設置したクラウド基盤「ドコモオープンイノベーションクラウド」上で、米RealNetworksのAI顔認証ソフトウェア「SAFR(セイファー)」と、カメラなどとの連携が可能な米Genetecの入退室管理システム「Security Center Synergis」 を統合して提供することで、簡易な操作と高精度な入退管理の両立を実現したという。両システムの統合は、ネットワンシステムズが実施している。
さらに、通信回線、スマートフォン端末、防水ケースなどもワンストップで提供することで、初期費用や導入までの時間が削減できる。また、「SAFR」の追加機能を組み込んだ場合、マスクを着用したままでも高い認証精度を維持し、さまざまな業種・職種で活用できる。
なお、同ソリューションは、4G(LTE)でも利用可能だが、5Gを利用することで、認証速度がさらに向上する。また、「ドコモオープンイノベーションクラウド」で今後提供予定の「クラウドダイレクト」と併用することで、より高いセキュリティで利用できるという。
利用料金については、初期費用は不要で、認証管理用のID100件で225万円(月額・税抜)からとなっている。