ロシュ・ダイアグノスティックスは5月13日、多検体処理が可能な全自動免疫検査装置である「コバス 6000」および「コバス 8000」などに搭載可能な抗新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体の検出を行う研究用試薬「Elecsys Anti-SARS-CoV-2 (200) RUO」ならびに「Elecsys Anti-SARS-CoV-2 (S300) RUO」の発売を開始したことを発表した。

採血した血液から分離させた血清検体または血漿検体を使用し、電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)を原理とした同社の自動免疫検査機器を活用することで、新型コロナウイルスに対する抗体の検出を可能とするもので、日本全国の病院、検査会社などに設置されている同社の自動免疫検査装置すべてで使用可能だという。

同試薬を用いた測定時間は約18分で、1時間あたりに提供できる測定結果は、「コバス 8000」の免疫検査モジュール e801で検査した場合、約300テストとなるという。

なお、2製品ともにすでに、欧州での使用を可能とするCEマークの取得ならびに、米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EUA)を得ており、先行して新型コロナウイルスを検出するための試薬として国内での販売を行っているリアルタイムPCR法を原理とする体外診断用医薬品「コバス SARS-CoV-2」、ならびに研究用試薬「LightMix」と合わせて提供していくことで、日本の医療と社会への貢献を目指していくとしている。

  • Elecsys Anti-SARS-CoV-2

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