NTTグループの日本電子計算(JIP)と名張製作所を配下に持つ名張ホールディングス(名張HD)は4月7日、ものづくり現場の生産設備の故障予兆を検知するというIoTセンサープラットフォームである「ParaRecolectar」を4月13日に発売すると発表した。

ものづくり現場のIoT化では、対象設備が複数メーカーに渡り新旧も混在していることや、収集データの分析方法などの問題から、コスト及びスキルの面で導入には高い障壁があるという。

両社はこれらの状況を解決するため、共同でIoTセンサープラットフォームの開発を進めてきた。名張HDはセンサーデバイスを開発、JIPはデータ集計アプリを開発し、実証実験などにより実用性について検証を行ってきた。新製品は、センサーデバイスとデータ集計アプリからなるIoTセンサープラットフォーム。

  • ParaRecolectarの構成イメージ

生産設備の新旧・メーカー問わず、後付けで工事不要なセンサーから生産設備の振動、電流、温度といった各種データを収集し、データ分析アプリによってグラフで可視化する。 既存の生産設備の任意の箇所に設置した名張HD開発のIoTセンサーから振動、電流、温度などのデータを収集し、JIP開発のデータ分析アプリにより収集データをグラフで可視化し、異常時に通知する。

データ分析アプリは品質管理に用いるグラフに対応しており、監視のしきい値の設定によりいち早く故障の予兆を検知可能といい、本格的な故障に至る前の対処により影響を最小限に留めることができるとしている。

使用方法に関しては、センサーは既存設備にそのまま取り付けが可能で工具や設備改造は不要であり、集計アプリもシンプルかつユーザーに使いやすい画面設計となっているという。

分析アプリである「ParaReco Visualizer Lite」では、標準グラフ、管理図(平均・標準偏差)、周波数解析(簡易FFT)など多彩なグラフから機器の状態を監視できる。

センサーのラインアップは、振動、温度、電流、気圧、湿度などのセンサーを用途に応じて自由に選択でき、コストについては、ParaRecolectarに4個または8個のセンサー接続ポートを装備しており、データ取得から分析までをオールインワンパッケージで提供するため、容易で分かりやすく安価に始められるとしている。