クリックテック・ジャパンは2月21日、アクセンチュアと合同で、世界の企業で働く9000人を対象にデータリテラシーが従業員の生産性に与える影響について調査したレポート「データリテラシーによる人への影響」を発表した。

このレポートは、2019年9月に日本、英国、米国、ドイツ、フランス、シンガポール、スウェーデン、オーストラリアおよびインドにおける従業員50名以上の企業の正社員9,000人を対象に実施した調査に基づいている。なお、日本での調査対象者数は1,000名。

同社ではデータリテラシーを、個人ではデータを読み取り、分析し、データを使って議論するための能力、企業においては、組織内でデータを読み取り、分析し、意志決定し、データを使って議論およびコミュニケーションする能力と定義しているという。

今回の調査で日本においては、データを資産として認識している人が90%いる一方、データを利活用することに十分な準備ができていると回答した人は15%、データリテラシースキルに自信があると回答した人は9%にとどまるという。

  • データを資産として認識している人が大半を占めるがデータを利活用することに十分な準備ができていると回答した人は少数

9%という数字は、10カ国中最下位で、インドの46%、米国の28%に大きく引き離されている。

  • 世界のデータリテラシーレベル。自己申告なので国民性も影響しているという

また、日本において、データに基づく意志決定を行っていると回答した人は32%と、直感に基づき意志決定している人の38%を下回った。

  • 意思決定は直感のほうが多い

その理由をクリックテック・ジャパン カントリーマネージャー 今井 浩氏は、レガシーなシステムなどにより、そもそも適切なデータにアクセスできない環境である点を挙げた。

  • クリックテック・ジャパン カントリーマネージャー 今井 浩氏

このような状況に対して同社は、日本企業がデータリテラシーを高めるための戦略として以下の5つを提言した。

①データ目標を設定する
具体的で検証可能な目標を設定することで、どのようなデータが必要かの検討を開始できる。

②目標を達成するためのロードマップを構築する
従業員が目標を達成するためにどんなスキルに投資すべきかが明確になる。

③データドリブンな環境を従業員に提供する
従業員がデータを利活用できるようにツール、プロセス、手段を提供する。

④データリテラシースキルのギャップを埋める
従業員がデータに関心を持ち、得られたインサイトをもとにデータを理解し、議論し、適切な行動を起こせるようにする。

⑤ともに成長できる文化をつくる
データ利活用についての能力を高める機会を従業員に提供し、提供しているツールが従業員のニーズを満たしているか、定期的に評価する。

  • 日本企業に向けたクリックテック、アクセンチュアの5つの提言

そして今井氏は、これら5つに向けてクリックテック・ジャパンでは、データリテラシーを高めるためのEラーニングコンテンツやサポートメニューを提供し、データインテグレーションとして、ユーザーがアクセスすべきデータにアクセスできるように改善するソリューションを提供するほか、インサイトの自動提案を行う拡張知能を搭載したQlik SenseやQlikViewといったアナリティクスツールを提供することの3つを行って支援するとした。

また同氏は社内体制も強化し、業種別にハイタッチ営業を行う人員やパートナーエコシステムを推進する専属の営業部隊を強化するとした。