NECは8月29日、9月から開催されるラグビーワールドカップ2019日本大会の会場の1つである東京スタジアムにおいて、大会運営に携わる職員間のコミュニケーション基盤として、国際的に標準化されたLTE技術と従来型業務用無線システムを組み合わせた次世代の業務用無線システムを試験提供すると発表した。

同システムは、NECの業務用無線システムと3GPP(Third Generation Partnership Project)に準拠したLTE方式のネットワークシステムを融合したもので、大規模災害時でも途絶、輻輳することなく業務を進める必要がある道路・鉄道・電力・ガスなどのインフラ保有社のほか、信頼性や耐久性の高い通信を必要とし、高いBCPレベルを求める企業向けに技術開発を進めているものだという。

  • 次世代の業務用無線の特徴

    次世代の業務用無線の特徴

これにより、閉域網で限られた利用者に対し災害をはじめとした非常時など公衆網が混雑するシーンにおいてもセキュアかつ安定した通信を実現するとしている。

また、同システムでは従来型業務用無線システムで提供している1:1、1:nの無線通話に加え、地図・位置情報・画像・映像・メッセージなど、これまでのシステムではできなかったデータ通信を用いた各種アプリケーションにより、業務の効率化もできるという。

大会期間中の東京スタジアムでは同システムを試験的に提供し、関係者にグループ通話やPush to Talk機能を活用してもらうことで、実現可能性を検証する。