レノボ・ジャパンは7月24日、テレワーク・デイにあわせてグループ4社で全社一斉テレワークを実施し、人気のないレノボ・ジャパンの秋葉原本社を公開した。

  • 人気のないレノボ・ジャパンの秋葉原本社

この日テレワークの対象になった社員は約2000名(個人情報取扱い、修理生産等の現場管理担当などを除く)。来年の7月23日から8月10日の東京五輪開催中には、2日間の「スポーツ応援特別休暇」を実施し、期間中4連休2回、3連休1回の勤務とし、残る8営業日については原則として社員は全員自宅などからテレワークをする「全社一斉テレワーク」を実施する。

  • 東京五輪での対応

同社は2005年に週1回を限度にテレワークを導入。2016年からは回数制限なしの新しいテレワーク制度を開始した。

同社が2019年2月に社員を対象にしたテレワーク利用調査によれば、週1回利用の比率は40%。週2回以上利用の比率は20%、利用なしの比率は34%となっている。利用なしの理由としては、会社のほうが環境がよい、お客様への対応などもあったが、上司が使わないため利用しにくいという意見もあったため、上司の面談等を繰り返し、改善を図っているという。

  • レノボ・ジャパングループでのテレワークの利用比率

テレワークの利用にあたっては、前日までにマネージャーの承認を得ること、実施後にマネージャーに当日に行った業務内容を報告すること、勤務時間などオフィス内での勤務と同様の勤怠管理を行うこと、利用中はMicrosoft Teams/Skype for BusinessをActiveにしておくことが条件になるという。

  • テレワークの運用ルール

レノボ・ジャパン 代表取締役社長 デビット・ベネット氏は、テレワークを利用した上でレノボ・ジャパン業績(2018年IDC出荷台数)が前年比で35%伸びたことについて触れ、「これは偶然ではない。ハッピーな社員を増やせば、経営も良くなる。それをリードしていきたい」と語った。

  • レノボ・ジャパン 代表取締役社長 デビット・ベネット氏

また、NECレノボ・ジャパングループ 執行役員 人事本部長 上南順生氏は、テレワークの課題について、「部門長やマネージャーによって取得しやすい/しにくいの差が出る」、「自宅の環境ではテレワークが利用しづらい」、「社内からしかアクセスできないインフラがある」などを挙げ、部門長やマネージャーによって取得のしやすさに差が出る件については、定期的な社内調査による洗い出しと対策、テレワーク・デイなどの全社的な取り組みによる習慣化を、自宅環境については、コアワーキングスペースなどの整備、社内からしかアクセスできないインフラについては、調査による仕様変更など継続的な改善を実施するとした。

  • NECレノボ・ジャパングループ 執行役員 人事本部長 上南順生氏

  • テレワークの課題

また、多くの企業が課題として挙げる「社員がサボるではないかという懸念」に関して上南氏は「テレワークによる実施業務の内容を上司に報告することで予防できている」と語り、デビット社長は、「テレワークを利用したから生産性が落ちたといわれたくないという意識も働いている」と述べた。