電通のクリエーティブ・シンクタンク「電通Bチーム」とディスカバー・ジャパンは17日、日本古来のコンセプトから企業のイノベーションを支援するコンサルティングサービス「Discover Japan Concept」の立ち上げを発表した。

  • 「Discover Japan Concept」のロゴ(同社資料より)

    「Discover Japan Concept」のロゴ(同社資料より)

ディスカバー・ジャパン「ニッポンの極意採集」の紹介<a href="https://bbbbb.team/discoverjapan/" target="_blank">電通BチームWebサイトより</a>

ディスカバー・ジャパン「ニッポンの極意採集」の紹介電通BチームWebサイトより

雑誌「Discover Japan」(ディスカバー・ジャパン刊)では、誌面連載"ニッポンの極意採集"において4年前より日本古来の伝統や工芸品に裏打ちされた哲学や方法論を紹介している。現在では数十のコンセプトとしてアーカイブされており、これを実際の企業や自治体の新規事業や企画など、発想支援に応用していこう試みが「Discover Japan Concept」。

"電通Bチーム"は、A面以外に個性的な"B面"を持つ社員が集まり、正攻法であるA面では突破できない企業の課題に異なる方法を提案する電通のチームプロジェクトで、現在50を超えるプロジェクトを支援しているが今回の「Discover Japan Concept」立ち上げに際して唐津焼の一例を挙げている。唐津焼には、8割だけ完成させて、使い手のために2割の余白を残す"つくり手八分、使い手二分"という哲学が実践されており、これはオープンイノベーションやコクリエーション(共創)という近年、世界各地で起こっているビジネス現象を遙かに遡る昔から実践されていることになるのだという。

サービスは、これら日本古来のコンセプトから課題やテーマに沿った選定を行う「概念選定」、伝統工芸や文化へのリサーチとフィールドワークを実施する「極意体感」、リサーチの結果から発想のワークショップを実施する「発想掛合」、伝統工芸やメディアとのコラボレーションやタイアップを行う「融合連携」とプロセスを通して実際の成果へと繋げる手順を踏んでいく。東京藝術大学や日本経済新聞社主催の日経Discover Japanアカデミーで既に実験的なワークショップを経ており、価値創造や企業イノベーションでの活用を確認しているそうだ。

抽出されたエッセンスを抽象化し、具体的な方法論へと応用していく例は、経営やマーケティングからIT分野にいたるまで多岐にわたる。海外から取り入れられた事例が多くなりがちだが、必ずしも日本の慣習に合わないものも、当然存在するはず。電通Bチームは、「これら日本古来のコンセプトを新規事業や商品企画の『発想の切り口』として活用することで、時代にとらわれない普遍性と日本ならではの独自性を兼ね備えたアイデア発想を支援し、日本発のイノベーションを生み出すことを目指します」と古くから近くにありながら新しい手法を提案するDiscover Japan Concept立ち上げを発表している。