宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」の2回目の小惑星リュウグウへのタッチダウンに際し、サンプラーホーンから弾丸が無事に発射されたことを確認したことを明らかにした。

これは、はやぶさ2から送られてきたデータから判断されたもので、サンプラーホーンの温度がリュウグウへのタッチダウンした前後で10℃ほど上昇したことが確認され、そのほかの情報とも整合をとった結果、タッチダウンの時刻に温度が上昇したという結論にいたり、すべての運用が成功したと判断したという。

  • はやぶさ2
  • はやぶさ2
  • はやぶさ2
  • サンプラーホーンの温度上昇データの説明を行う久保田孝氏(JAXA宇宙科学研究所 研究総主幹)

リュウグウの高度30mに至った後のはやぶさ2の時系列の動きは暫定ながら、以下の通りとなっている(いずれも地上時刻)。

  • 9:54ころ、高度30m付近でホバリングを開始
  • 10:00ころ、ターゲットマーカーの捕捉を開始
  • 10:01、ハイゲインアンテナからローゲインアンテナへ切り替えを実施。さらなる降下を開始
  • 10:06、高度17m付近でLIDARからLRFへ切り替え
  • 10:18ころ、目標地点上空に到達。最終降下を開始
  • 10:20ころ、タッチダウンの実施をドップラーモニターで確認
  • 10:39ころ、ローゲインアンテナからハイゲインアンテナに切り替わりを確認。探査機の状態を確認するGate5を開始
  • 10:51ころ、津田雄一プロジェクトマネージャ(プロマネ)から成功の宣言が出され、管制室全員でVサイン

なお、津田プロマネは、佐伯孝尚フライトディレクタからすべての機器の状態に問題がないこと、ならびにシーケンスがすべて正常に実施された報告を受け、成功の宣言に併せて「また新たな歴史を作った」と語ったという。

なお、目標とする半径3.5mの円形の領域「C01-Cb」のどこにタッチダウンを行ったのか、といったことについては、今後の詳細な解析を待つ必要があるとのことだが、スポークスパーソンである久保田孝氏(JAXA宇宙科学研究所 研究総主幹)によると、「航法誘導チームが、いままでの成果をもとに、かなり高精度に運用をしてくれた。ターゲットマーカーの捕捉も早いタイミングでできたので、狙ったエリアの上空にかなりの精度でいけたと思う」としており、狙い通りのポイントにタッチダウンができた可能性が高いとみられるとしている。

はやぶさ2の2回目のタッチダウンの降下イメージ (C)ISAS/JAXA