SB C&S 常務執行役員 コンシューマ事業兼新規事業担当 瀧進太郎氏

SB C&Sは6月5日、STEM教育を推進するため、幼児から小学生を対象としたSTEM教育スクール「STELABO(ステラボ)」事業を開始すると発表した。

同事業の皮切りとして、直営校であるSTEM教育スクール「STELABO汐留校」を6月12日に開校し、今後はパートナー企業を募り、フランチャイズ展開を行うことでSTEM教育スクール「STELABO」を全国に拡大していく。

STEM教育とは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)を総合的に学ぶ教育モデル。米国をはじめ、シンガポールやインドといったアジアの新興国でもSTEM教育は盛んであり、2020年に小学校でプログラミング教育が必須となる日本でも注目を集めている。

常務執行役員 コンシューマ事業兼新規事業担当 瀧進太郎氏は、AIの利用が本格化することが見込まれる将来、人間に求められる能力は変わり、人間ならではの感性とAIやロボット使いこなす能力が必要だと説明した。そうした感性や能力を習得する際に役立つのがSTEM教育となる。

ソフトバンクグループが積極的に新規事業を拡大する中、同社は2016年にSTEM事業をスタートした。同事業の一環として、「Sphero Edu」「Megablock」といった国内外のSTEM教材の調達・流通を手掛けてきた。

  • 2016年からSTEM事業をスタート

瀧氏は、STEM教育スクール事業のパートナーとして、ヴィリングと提携していることを紹介した。同社は、独自のSTEM教育メソッド「STEMON」にのっとった教室を運営している。STEMONの監修は、プログラミング教育ソフト「Scratch」の開発に携わったSTEM教育の第一人者である石原正雄氏が担っている。

SB C&S 新規事業本部 STEM事業推進室 室長を務める林浩司氏

「STELABO」の詳細については、新規事業本部 STEM事業推進室 室長を務める林浩司氏が行った。

林氏は、STELABOで育むことを目指している4つの力として、「理数とICTの基礎力」「創造し表現する力」「自ら深く考える力」「協力して学び合う力」を挙げた。

林氏は、「STEM教育にプログラミングは含まれるが、STEM教育イコールプログラミングではない。つくることで学ぶという学習法とプログラミングを組み合わせて学習を進めていく」と語った。

授業は3つのステップに従って行われる。第1のステップとして、道具や機械の原理や仕組みの知識を学ぶ。第2のステップとして、ブロックを用いて道具や機械を作り、タブレット端末でロボットのプログラミングを行う。第3のステップとして、試行錯誤しながら制作したものが思い通りに動くかどうかを確かめる。このサイクルを繰り返し行うことで、これからの社会で必要とされる4つの能力を育んでいく。

  • 「STELABO」のものづくり学習法の仕組み

コースは、STEM教育コースの「ベーシッククラス」「アドバンスクラス」、プログラミング& ロボティクスコース「プロロボ1st ステージ」の3つが用意されており、各コースで用いる教材が異なる。

  • 「STELABO」の3つのコース

なお、フランチャイズ加盟教室には、研修、販促支援ツール、教材・カリキュラム、タブレットやPCなどが提供される。