トプコンは29日、農作物の生育データから圃場(ほじょう)ごとに適切な施肥マップを作成するクラウド版可変施肥設計ソフトウエア「nRate-Map Web」(エヌレートマップ ウェブ)の提供を開始したことを発表した。

「nRate-Map Web」同社資料より

「nRate-Map Web」同社資料より

十勝農業試験場や北海道大学との連携で開発した施肥設計ソフトウエア「施肥マップ」のWebアプリケーション版となる「nRate-Map Web」は、トラクタ搭載型の同社レーザー式生育センサー「CropSpec(クロップスペック)」や衛星画像、ドローンなどを使って生成する"生育データ"を自動で"施肥マップ"へと変換できる。生育状態から場所毎に必要な散布量を可視化できるため、効率的な追肥が可能なほか、翌年の基肥(初期生育のための基本となる肥料)など次年の育成計画にも寄与する。

トプコン公式<a href="https://www.topcon.co.jp/" target="_blank">Webサイト</a>

「nRate-Map Web」公式サイト

クラウド版であるためインターネット環境があればタブレットや自宅PCからも用意にアクセスでき、GPS搭載タブレットでは圃場現地での現在地と連携するため、実際にデータと生育状況を確認しながら業務を行える。またユーザーの追加も可能で、データを普及指導員(国家資格をもった都道府県の職員)など有識者に見せるといった使い方も可能になる。

トプコンは1932年、服部時計店精工舎の測量機部門を主体とする歴史を持ち、1989年に東京光学機械株式会社から現在の社名へと変更。測量やGPSシステム、眼科向け医療機器などを中心に展開する総合精密メーカー。高精度のGNSS(Global Navigation Satellite System/全地球衛星測位システム)受信機とソフトウエアは土木/建設や精密農業の現場を支えている。