富士フイルムとバイオジェンは3月12日、バイオジェンのバイオ医薬品製造子会社であるBiogen(Denmark) Manufacturing(バイオジェン デンマーク マニュファクチャリング社)を富士フイルムが約8億9000万ドルで買収することで合意したと発表した。

実際には3月11日付けで、バイオジェン デンマーク マニュファクチャリング社の全持分取得に関する契約を両社間で締結。今後、バイオジェン デンマーク マニュファクチャリング社を、富士フイルムのバイオ医薬品における第4のCDMO(Contract Development & Manufacturing Organization)拠点としてスタートさせることで、高まるバイオ医薬品の開発・製造受託ニーズに対応していくとしている。

バイオジェン デンマーク マニュファクチャリング社は、バイオジェンの製造子会社として、高度なバイオテクノロジーや生産ノウハウをもとに、高品質・高信頼性のバイオ医薬品をグローバルに提供してきた経験と実績を持つ製造子会社で、現在、バイオ医薬品の製造に精通した約800名の人材、1万5000リットル動物細胞培養タンク6基などの大量生産設備を活かして、抗体医薬品をはじめとしたバイオ医薬品の生産を担当してきた。

富士フイルムでは、多品種生産に適したシングルユース仕様の2000リットル動物細胞培養タンク、ウイルスなどの高度な封じ込めが可能な最新モバイルクリーンルームなどの現有設備に、バイオジェン デンマーク マニュファクチャリング社の大量生産設備を加えることで生産能力の増強を図るとともに、少量から大量までの幅広い受託ニーズに対応できる体制の構築することで、あらゆる種類のバイオ医薬品の開発・製造受託に対応できる強みを活かし、ビジネスの拡大を図っていくとしている。

なお、買収後も、バイオジェン デンマーク マニュファクチャリング社で生産してきたバイオジェンなどの医薬品について受託という形で継続して生産を行っていくとしている。