接客、受付、苦情処理など様々なシチュエーションで活用されるようになったチャットボット。便利である一方、最適なパフォーマンスを発揮するためには、必要なシナリオのアップデート欠かせない。クルマやバイクにメンテナンスが欠かせないのと同様だ。AIのような継続的な学習が効果を発揮していく分野ではなおさらだが、管理者にとってはこれが負担となってしまう。

Nextremerと三菱総合研究所(以下略 MRI)が研究しているのが、このチャットボットの継続的運用のためのメンテナンスを効率化するシステム。AI対話システムに深層学習を用いてシナリオを追加していく「シナリオ追加支援機能」は、チャットボット導入企業が継続的な運営を行うために有益なものだ。16日、両社はAIチャットボットサービス「minarai Customer Success Chat」で新機能の試験提供を行うことを発表した。

  • シナリオ追加支援機能イメージ(同社資料より)

    シナリオ追加支援機能イメージ(同社資料より)

Nextremerは、2018年3月からAI対話システム「minarai」を搭載したAIチャットボット構築サービス「minarai Customer Success Chat(以下略 minarai CS Chat)」を展開しているが、両社は収集した対話ログからシナリオの内容を改善するアップデートの重要性と大量のログデータを元に未回答データを抽出して、シナリオに追加するという作業が現場において負担になっていること着目。これらを同時に解決するためシナリオ追加支援機能の開発を共同で行ってきた。

新機能は、対話ログに基づいたシナリオ追加を効率化するもので、従来の辞書による言葉の揺れによるシナリオ作成ではなく、「ユーザー発話とシナリオの関連性の推定値」や「やり取りの破綻度合いの推定値」などを算出し、シナリオ修正の効果を見積もる。同機能は、NextremerのAIチャットボットサービス「minarai CS Chat」(BASICプラン以上)の対話ログ閲覧画面で利用できる。