RPAベンダーのUiPathは12月12日、2017年2月に日本法人設立以来初のプレスセミナーを開催。UiPathの概要とともに、今年10月にリリースされた最新の2018.3の新機能を説明した。

同社の国内でのユーザー企業数は、2017年6月に6社だったものが、2018年12月12日時点で680社に拡大しているという。

  • UiPath クライアントソリューション本部 ディレクター 田辺智康氏

ユーザー数拡大の理由について、UiPath クライアントソリューション本部 ディレクター 田辺智康氏は、働き方改革において、業務改革だけでは時間削減できない中、時間削減に直結するソリューションである点や、日本ではシステムとロボット、人が連携した業務が多い中、それに対応している点。さらに、海外ではアウトソーシング業務での利用が多い中で、国内ではミドルやフロント業務も対象になっており、少量、複雑な処理においても動作するという評価をもらっている点があるとした。

同社はワールドワイドで、米国、EU、インド゙、日本の4つのリージョンで管理しているが、成長率は25-30%でほぼ同等だという。とくに米国やEUのスピードが上がっているという。

UiPathは、定義したワークフローを実際に動作させる「Robot」、処理するワークフロー開発ツール「Studio」、PC上のRobotを管理する集中管理サーバ「Orchestrator」の3つのコンポーネントからなる。「Orchestrator」は必須ではなく、大規模の場合必要になるという。

  • UiPathのコンポーネント

UiPath プロダクトソリューション本部 テクニカルアクントディレクター パートナー技術担当 中田浩暁氏

UiPath プロダクトソリューション本部 テクニカルアクントディレクター パートナー技術担当 中田浩暁氏は、UiPathの特徴として、対応できるアプリの種類が多い点、400以上のアクティビティ(部品)が利用可能などユーザーフレンドリーなワークフロー開発ができる点、小規模から大規模まで対応できる点、API連携による機能の拡張性、日本語サポートの5つを挙げた。

  • 中田氏が挙げたUiPathのメリット

とくに同氏が他社との差別化として挙げたのがアプリ対応の部分で、他社の場合、Javaアプリやブラウザに対応していなかったり、表示されていないボタンは押せないなどの課題があるが、同社では、本社の開発部門と連携して、対応アプリを広げているという。

同社では、毎年3-4回のバージョンアップを行っており、10月にリリースされた最新の2018.3は今年最大の機能拡大。

このバージョンで、Studioが日本語化された。日本語化は、1つのバイナリで、UIを切り替えることで実現しており、英語モードの切り替えも可能だという。

  • Studioの日本語化

また、アーキテクチャーの変更による起動時間やメモリの使用量の改善やライブラリ(共通部品)を導入して開発効率をアップできるようにしている。

  • ライブラリ(共通部品)

さらに、プロジェクトごとのアクティビティ(部品)バージョンの依存関係を指定できようになり、古いプロジェクトを最新のアクティビティで動作させてしまい、挙動が変わるなどの課題に対応した。

そのほかロボットトレイを拡張し、検索ボックスのフィルタリングやウインドウのリサイズに対応。アクティビティでは、カスタム入力が1行のみだったものを、複数項目に対応したほか、キーボードとマウスの入力を無効化して、安定してロボットの動作が可能になった。

  • ロボットトレイの拡張

Orchestratorの強化では、VDIに対応したほか、ジョブ開始パラメーターを導入し、ジョブの開始時にパラメーターを渡して処理を実行できるようになったほか、動的な負荷分散機能などが追加された。

また、今週中に2018.4もリリースされるという。

  • 2018.4の機能強化