デロイトグループがテクノロジーやメディア、通信関連のグローバルトレンドを予測する「TMT Predictions 2019」が発表された。
Technology(テクノロジー)、Media(メディア)、Telecommunications(通信)の頭文字が名付けられる「TMT Predictions」は2001年より世界規模のコンサルティングファームであるDeloitte Touche Tohmatsu(デロイト・トウシュ・トーマツ)により毎年発表されている。多くの企業や産業のビジネス動向を知る同社が発行するグローバルでの予測になる。
販売台数が1億6,400万台に達し、市場規模は70億ドルに拡大するスマートスピーカーやAI活用企業の7割がクラウドベースでAIを実装、企業向け3Dプリンターの普及とさらなる成長、eスポーツの急伸、5Gや量子コンピューターの動向など先端技術のビジネスシーンにおける動向や分析が図やグラフ、参照を交えて端的に纏められている。多くの技術が接合しはじめる2019年について、デロイト グローバル Telecommunications, Media & EntertainmentセクターリーダーのMark Casey氏は新たなテクノロジーが生活や仕事を変化させる特徴的な年になることを述べている。
TMT Predictions 2019のキーポイントやテーマは以下の通り。
・スマートスピーカー 販売台数は1億6,400万台に達し、市場規模は70億ドルに拡大
・クラウドAIサービス AIを活用する企業のうち、7割がクラウドベースでAIを実装可能に
・5Gネットワーク 2019年にはサービスが始まり、2020年までに約50の事業者が参入
・中国のコネクティビティが新たなビジネスモデルを育む
・スポーツ放送を対象としたベッティング(ギャンブル)
・3Dプリンターの普及
・eスポーツの急伸
・ラジオの存続
・量子コンピューティング
・中国が優れた技術的能力を発展させる
ユニークなのがラジオの存在。各国によりリーチが異なるが世界中で合計約30億人が週に一度以上ラジオに接触、先進国の成人人口では85%以上が少なくとも週に一度ラジオを聴取すると予測している。国によりデータの取り方が異なるが2019年の米国では、18から34歳の90パーセント以上が週に一回、平均80分でラジオを聞くことになるという。ここ数年、大きく傾向が変わっているわけではないが、他のメディアと比較しても下落せずに安定したユーザー動向が予測されている。先端技術が接合しはじめる2019年に、家庭での食事や職場のBGM、ドライブ中など何かをしながら聞くことも可能なラジオの安定感をトピックスとして分析している。