10月17日~18日に米シカゴで開催された「FIA EXPO 2018 」。今年、アット東京は同イベントへの出展が3年目を迎えた。今回、同社が出展する意義や今後の展望について、同社 常務執行役員 営業本部長の山下卓也氏、同 営業本部 金融営業部 専任部長の軽部美津恵氏の話を紹介する。

  • 左からアット東京常務執行役員 営業本部長の山下卓也氏、同 営業本部 金融営業部 専任部長の軽部美津恵氏

    左からアット東京常務執行役員 営業本部長の山下卓也氏、同 営業本部 金融営業部 専任部長の軽部美津恵氏

--まず始めに「FIA EXPO」とはどのようなイベントでしょうか?

軽部氏:FIA EXPOは先物取引を手がける投資会社向けにファシリティやソリューションなどのサービスを提供する事業者が出展し、業界のための最新の技術やサービスを紹介するイベントです。

--なぜ、FIAに出展されたのですか?また出展する意義はどのようなところにあるのでしょうか?

軽部氏:われわれとしては、外資系企業も重要なお客さまであり、FIAのイベントに出展して3年目を迎えます。東京に拠点を持つ企業であれば、コミュニケーションをとることも比較的容易ですが、そうではない企業もいるため、直接サービスを紹介してアット東京をアピールし、米国で認識してもらうことを目的に出展しています。

--今回のテーマ・訴求ポイントについて教えてください。

軽部氏:強みとしてはデータセンター(DC)の堅牢性とコネクティビティ(接続性)です。われわれは、ここ数年Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform、IBM Cloud、Microsoft Azure、など、メガクラウドとの接続性を強化しています。

今回のFIA EXPOでは、AWSがプラチナスポンサーとなっています。そのため、われわれのセンターにAWSのダイレクトコネクトの拠点を備えている点を、アピールしているところです。

また、お客さまは通信事業者とのコネクティビティを重要視するため、キャリアニュートラルのポリシーで、特定キャリアを制限することなく、お客さまが自由にキャリアを選べることは利点です。

さらに、DCは国内外の通信事業者の接続ポイントを備えていることに加え、日本や韓国など5つのIX (Internet Exchange)やISPとの接続、お客さま間の相互接続が可能な点は優位性があると考えています。

これらすべてがDC内で完結し、物理配線で接続が可能なためセキュアな環境を担保しているほか、建物内だけで接続するためコスト削減につなげることもできます。

--AWSは専用パビリオンでスタートアップ企業を支援していますが。

山下氏:今回、AWSがプラチナスポンサーとなり、まさにクラウドも金融機関にとっては1つのプラットフォームになりつつあると思います。AWSも新しいビジネスの形としてクラウドを提示し、まずはプラットフォーマーとしての認知拡大を図っているのではないでしょうか。

  • AWSのスタートアップ専用パビリオン

    AWSのスタートアップ専用パビリオン

今後、日本でもクラウドの採用が進展することが見込まれていますが、データの置き場所は懸念材料となるため、われわれの堅牢なDCは強みだと思います。

われわれはクラウド事業者ではありませんが、クラウド化が進んでいく中でのオンプレミスのDCとして、強みである施設およびサービスを、さらにブラッシュアップしてクラウド時代に対応していかなければならないと感じています。

--金融機関はパブリッククラウドの活用に慎重なイメージもありますが?

軽部氏:われわれからパブリッククラウドの活用を説得することはありませんが、例えば業務システムなど可能なものはクラウドに移行したいというニーズはあり、コスト削減やリソースといった課題を抱えています。

これまで、どれくらいニーズがあるか判然としませんでしたが、実際にヒアリングしてみると、一部の業務についてはクラウドを利用していこうという流れはあるようです。

  • イベント終了後には各ブースにおいてビールで乾杯していた。日本と比べると割とラフなスタンス。また、展示物は少なく、あくまでも商談ベースだ

    イベント終了後には各ブースにおいてビールで乾杯していた。日本と比べると割とラフなスタンス。また、展示物は少なく、あくまでも商談ベースだ

--FIAに来訪する企業に限らず、どのようなことを実現したい海外企業をターゲットとしていますか?

山下氏:相互接続により、自社サービスの提供エリアと選択肢を増やしたいと考えている企業です。業種を特定してお客さまを増やすことも大切なことですが、業種に縛られずに幅広く受け入れたいと思います。われわれのDCを利用し、お客さま間で相互接続することにより、新たな価値を生むことかできることを実感していただきたいです。

FIAは先物取引を中心としたイベントですが、先物取引の業界1つを狙っているというわけではなく、あくまでも幅広い業界の1つとして考えています。さまざまな業界の企業にわれわれのDCを利用してもらうことで、利便性を高めていきます。そして、お客さまのビジネス同士で化学反応を起こすことができる“場”を提供できればと考えています。

--“場”というのは、どのようなイメージでしょうか?

山下氏:近年では、企業が提供するサービスは多様化し、境界がなくなってきています。国内企業の海外進出や海外企業が日本に進出してくる際に、DC内におけるお客さま間の相互接続やクラウドを含めたハイブリット環境は拡大していくため、お客さまが多様な業界につながれるような場を提供するということです。

お客さまのコネクティビティを支援する中で、われわれのDCユーザーが海外企業と接続することや、逆に海外企業が既存の国内外におけるDCユーザーと接続したいというニーズに対応できることをアピールし、海外企業の取り込みを図りたいと考えています。

そのため、地域・業種を特定するのではなく、グローバルな観点でお客さまの利便性を高めていきたいと考えています。われわれはセコムグループであり、世界で18の国・地域に展開しています。そのような意味では、グループ内に営業窓口が存在し、これらを活用することも可能でしょう。

--商談の調子、反応、今後の展望についてははいかがでしょうか?

軽部氏:非常に好調です。これまでコンタクトがなかった新規のお客さまとコミュニケーションがあり、手応えを感じています。

FIAに出展して3年目のため、アット東京という名前が認知されているほか、出展を継続することで業界内でのネットワークも広がっています。

DCの場合、一般の人が使うサービスではないため、われわれの既存ユーザーからの紹介は新規のお客さまを開拓する上で有効となっています。業界内でネットワークを構築し、われわれもネットワークの中に飛び込んでいくということは重要だと感じています。

山下氏:最近、人づてに話を聞いたという形での引き合いも増えています。積極的になることで、お客さまからの紹介などの効果もあり、多様な人たちと会うことができています。ネットワークの幅を広げながら、理解を深めてもらうことで自発的にアット東京の名前が広がっていることを実感しています。

また、われわれのビジネスは販売して終わり、というものではなく、技術・業務部門の社員もサービスの構築からアフターケアも含めて高品質なサービスを提供することに自信を持っており、お客さまにもその点を評価していただいています。今後も、この流れは大切にしていきたいと考えています。

  • 左からアット東京 営業本部 営業企画部 企画担当部長のレアード・クリストファー氏、同 営業本部 金融営業部 主任の片山智友美氏、軽部氏、山下氏

    左からアット東京 営業本部 営業企画部 企画担当部長のレアード・クリストファー氏、同 営業本部 金融営業部 主任の片山智友美氏、軽部氏、山下氏