凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピーは10月25日、スマートフォンを使用したQRコード・バーコード決済サービスを小売店舗のPOSレジで同時に複数利用可能にする決済情報中継サービス「スイッチングゲートウェイ」の本格的な提供を開始した。

  • スイッチングゲートウェイの概念図

    スイッチングゲートウェイの概念図

新サービスの主な特徴として「複数のQRコード・バーコード決済サービスを同時に導入可能」「導入期間の短縮と低コスト化」「マーケティング施策へ展開可能」の3点を挙げている。

複数の決済サービスの同時導入に関してはAlipayやWechat Payをはじめ、国内外の多様な決済サービスに対応し、同時に複数のサービスの導入が可能。導入のためのPOSレジシステムの改修も基本的に1回で済むほか、店頭オペレーションも統一が可能なため運用負荷も軽減できるという。接続先の決済サービスを順次拡大を予定し、新たな決済サービスの追加も容易としている。

導入期間の短縮と低コスト化に関して、同サービスは両社が共同で運営している、ギフトカードやハウス電子マネーの残高管理を行うリアルタイムプロセッシングサービスであるサーバ管理型プリペイドASPサービスのシステム基盤を利用。すでに、同ASPサービスを店舗のPOSレジシステムと接続して採用している場合は、新たな接続のためのシステム改修が削減可能とし、多様なQRコードやバーコードを利用したスマートフォン決済を短期間に導入できるという。

マーケティング施策への展開については、QRコード/バーコード決済サービスを店舗に導入することにより、顧客の利用状況に関する各種データを利用が可能。各店舗は、利用状況のデータを分析・利用したマーケティング施策を実施できるとしており、両社が持つデータ分析力や施策企画ノウハウにより、店舗の活性化を支援する。さらに、同ASPサービスを利用した、ハウス電子マネーとの連動による店舗への集客や顧客施策を展開することも可能。

2018年10月の時点において同サービスで利用可能なスマートフォン決済サービスは、Alipay、Wechat Pay、Origami Pay、d払い、PayPay、pring、LINE Pay、楽天ペイの国内外8種類。両社は同サービスについて、2020年度までに50社の導入を目指し、利用可能な決済サービスの拡充に進めるとともに、サービスの機能強化を図り、より利便性の高いサービス提供を目指す。

なお、新サービスは阪急阪神百貨店など百貨店やドラッグストアなどの一部店舗で、2018年春から先行して採用している。