海洋研究開発機構(以下、JAMSTEC)は、国際深海科学掘削計画(IODP)の一環として、地球深部探査船「ちきゅう」によるIODP第358次研究航海「南海トラフ地震発生帯掘削計画:プレート境界断層に向けた超深度掘削」の実施を発表した。期間は2018年10月7日~2019年3月31日。

  • 南海トラフにおけるIODPの概要

    南海トラフにおけるIODPの概要。今回は海底下5,200m付近までの掘削を目指すとしている(出所:JAMSTEC Webサイト)

今回は、過去3回の研究航海で段階的に掘削を進めてきた、プレート境界断層の固着域があると想定されている、C0002地点の掘削孔を海底下5,200m付近まで掘り進めていき、断層の物性データの取得とコア試料の採取を行うという。

また、海底下4,000m以深に存在すると予想される弾性波速度の高速度層を直接掘削することも重要な目的であるとしている。この層には、巨大地震を引き起こすひずみエネルギーの一部が堆積していると考えられていることから、どのような岩石からなっているのか、現在はどのような状態か、明らかにすることが期待される。

JAMSTECでは、過去の研究航海を踏まえ、陸上のスタッフも孔内状況を常時監視しながら掘削作業を進めるとともに、掘削に使う泥水比重の最適化、地層中の細かな割れ目への泥水の浸入を防ぐ防止剤の使用等により、孔壁の崩壊を防ぐための対策を講じていくとしている。