楽天と米ウォルマート(Walmart)は22日、米国内での電子書籍サービス「Walmart eBooks by Rakuten Kobo」を開始したことを発表した。

「Walmart eBooks by Rakuten Kobo」は、600万を超える電子書籍やサブスクリプションでのオーディオブックなど同社が展開するWalmart eBooksを大きく補完するものとなることや、Koboリーダーの同社店舗での販売にも米ウォルマートは言及しており、週末にもKobo Auraが並ぶことをリリースで発表している。ウォルマート・Eコマース U.S.のエンターテインメント ジェネラルマネジャーであるマリオ・パチーニ氏は「Kobo社と協業することで、実物の書籍に加え、迅速かつ効率的に電子書籍およびオーディオブックの品揃えを『Walmart.com』に拡充することが可能となりました。これにより、私たちの顧客は新たな方法で本を読むことができるようになります」と述べる。

また、楽天の副社長執行役員 メディア&スポーツカンパニー プレジデントである有馬 誠氏は「『Walmart eBooks by Rakuten Kobo』は、ウォルマート社と楽天による戦略的提携のマイルストーンとなるものです。世界有数の小売業者であるとともに有力な書籍販売業者でもあるウォルマート社との協業を通じ、米国の読書愛好家の皆様にさらに多くの選択肢と価値を提供できることを楽しみにしています」と"キングオブリテイル"とも評されるウォルマートとの戦略的提携であることを強調している。

1月に発表された戦略的提携では、電子書籍のほか「楽天西友ネットスーパー」の協働運営も発表しており、楽天はウォルマートの日本法人である合同会社西友とネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を協業している。オンラインサービスに力を入れる米ウォルマートは、オンラインモール「Wallmart.com」をはじめ数多くの小売店舗/Eコマースサイトを運営、オムニチャネルやO2Oなどテクノロジーを使った店舗運営を強力に推進し続けており、16日(現地時間)には第2四半期の決算を発表。なかでもEコマースが40%の伸びを示すなど"オムニチャネルの重要性"をプレスリリースの中でもピックアップ。電子書籍という今後の伸びが期待される分野を楽天と提携することで先行するAmazonに挑んでいく。

間により読みやすい色へと変わるComfortLight PRO機能(公式サイトより/端末はkobo aura ONE)

時間により読みやすい色へと変わるComfortLight PRO機能(端末はkobo aura ONE/同社製品紹介サイト機能より)

「楽天Kobo」は、小説や漫画、雑誌など世界で約600万冊(日本語約50万冊)のコンテンツを提供する電子書籍サービス。E Ink搭載のKoboリーダーのほかアプリでも電子書籍やオーディオブックを提供しており、「読む」「聞く」でコンテンツを楽しむことや学ぶことができる。日本では5月にはテキストベースで8000冊(6インチ、8GB)を保存できるエントリーモデル「Kobo Clara HD(コボ クララ エイチディー)」を発売。上位モデルにしか搭載されていなかった時間が深くなるにつれて白色からオレンジ色へと背景色が変わる機能ComfortLight PROも搭載している。