ローデ・シュワルツ・ジャパンは6月27日、ハイパフォーマンス・オシロスコープR&S RTPファミリーの販売を開始すると発表し、都内にて記者会見を実施した。同製品は、測定確度、速度、幅広い機能、そして拡張性に重点を置いて開発されたオシロスコープで、ローデ・シュワルツの現在のオシロスコープ・ポートフォリオを拡張するものとなる。モデルは4GHz、6GHz、8GHzの3種類。

  • ローデ・シュワルツ オシロスコープ

    ローデ・シュワルツ・ジャパンが発表したオシロスコープ「R&S RTP」

特徴は、同クラス最速の波形更新レートと、優れたシグナルインテグリティを両立している点だ。標準の波形更新レートでも100万回/秒と速く、これによりユーザーは散発的なエラーをより短い時間で捕捉することが可能になるという。

また、信号源とオシロスコープ間の伝送損失をリアルタイムにディエンベディングできることも特徴の1つ。信号補正が有効な場合でも高速掃引が可能であることに加え、独自のデジタルトリガ・アーキテクチャにより、ディエンベディングされた信号に対して正確にトリガをかけることもできるほか、マスクテスト、ヒストグラム、周波数ドメイン解析は高速に実行され、統計的に信頼性の高い結果を得ることができる。

加えて、同製品は複数の計測器を搭載することができ、アナログ・オシロスコープ・チャネルに加えて、16個のロジック・チャネル、4個の電圧測定チャネル、そして4個の電流測定チャネルが使用できる。さらに、シリアルバス・インタフェースのプロトコル解析機能や、優れたスペクトラムおよび信号解析機能も備えているとのこと。

なお同製品は、幅広いマーケット、特に航空宇宙および防衛、自動車、産業機器、そして電気通信分野においてエレクトロニクス開発に従事するエンジニアの期待に応えることが出来るとのことだ。具体的には、高速バス(USB、PCI Express、MIPIなど)、マルチチャネルRFインタフェース(ラジオやレーダー)、DDRメモリインタフェース、複雑な電源管理ユニット、シンプルな制御およびプログラミングバス(I2C、SPIなど)などの開発において、異なる信号を使用する電子回路のデバッグに適するとしている。

  • 会場に展示されたオシロスコープ「R&S RTP」

そのほか、設置面積は従来のモデルよりも最大40% 削減。洗練された冷却コンセプトと静音ファンの採用により、動作音の削減を実現している。

同社ではR&S RTPファミリーのさらなる拡張も検討しているとのこと。2つのアナログ・チャネルと8つのデジタル・チャネルを備えた信号源モジュール、16GHzの差動パルス信号源などが2018年中に計画されている。さらに、より広帯域なモデルの発表を2019年に計画しているとのことだ。