出張・経費管理クラウドSAP Concurを提供しているコンカーは5月23日、日本CFO協会と実施した「請求書電子化に関する企業の取り組み状況の実態調査」の調査結果と、それに対する同社の戦略について発表した。
同調査は、日本CFO協会会員を主体とした日本企業の財務幹部243サンプルを対象に、2017年11月から2018年3月の間に実施されたもの。調査によると、請求書の業務プロセスについての改善が必要だと感じている企業は全体の91%いることが明らかになった。
導入意向は領収書の電子化よりも強く、全体の75%が導入計画があると答えた。領収書では、3年以内の運用開始を目指している企業が36%であるのに対して、請求書は97%が3年以内に運用を開始する予定だという。
しかし、67%という回答者が、タイムスタンプなど電子帳簿保存法の制度要件へのシステム対応と業務プロセスの変更に不安を持っていることがわかった。
タイムスタンプとは、請求書をデジタルで保存する際に必要な「書類がいつ作成されたのか」という証明。電子帳簿保存法で付与が義務付けられている。
コンカー 代表取締役社長の三村真宗氏は「我々は、アナログだけで完結するオペレーションを『A2A(Analog to Analog)』、紙で入手した領収書/請求書などをデジタル化して処理することを『A2D(Analog to Digital)』、受け取りから処理をすべてデジタルで行うことを『D2D(Digital to Digital)』と呼んでいる。規制緩和によって領収書の電子化は急激に増加した。次は、請求書のA2Dを進めていかなければならない」と電子化に関する普及状況を述べた。
そこで、同社は、請求書のA2Dを進めるべく「Concur Invoice」を公開する予定だ。「Concur Invoice」では、まず、紙の請求書をスキャンして、取り込んだデータをマニラのBPOセンター送信。すると、最大2営業日で申請データの入力が完了するので、申請者は「タイムスタンプボタン」をクリックしてタイムスタンプを付与する。そのあとは内容を確認して提出ボタンを押すだけで、申請が完了する。
承認者は、送られてきた申請の内容を確認して、承認ボタンをクリックするだけ。紙の請求書を受け取る必要がなく、インターネット接続環境があれば外出先からでも承認作業をおこなうことができる。
なお、「Concur Invoice」は現在国内企業3社に対して先行出荷されている。現在導入のプロジェクトがいくつか進んでいる段階で、早い企業では9~10月ごろから本導入が実現できる予定だという。
同社は、法令対応を含めた経費精算をワンストップで提供していくことで、領収書と請求書のD2Dオペレーション実現を目指す。