電気自動車(EV)メーカーのGLMは、京セラと共同で、京セラの最新技術をGLMのスポーツタイプEV「トミーカイラZZ」に搭載したコンセプトカーを手がけたことを発表した。

  • 外観は「トミーカイラZZ」を踏襲し、内部に最先端のデバイスやシステムを搭載

    外観は「トミーカイラZZ」を踏襲し、内部に最先端のデバイスやシステムを搭載

車には、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)への活用が期待される、高精細なカメラや液晶ディスプレー、セラミック技術を応用した超薄型スピーカー(ピエゾスピーカー)、電流で冷却・加熱の温度制御が可能な半導体素子(ペルチェ素子)を用いた温度調整装置(シート温調やエアコンに使用)など、京セラ独自の12種類のデバイスやシステム、素材を実装している。

また、サイドミラーとルームミラーには電子ミラーを装備し、高感度の車載用カメラで撮影した車両後方の映像を車室内のモニターに映し出す。前後左右4台の魚眼レンズのカメラが撮影した車体周辺の映像を合成し表示するサラウンドビューカメラや、高精細液晶ディスプレーに内蔵したカメラで運転者の視線の動きを認識し、よそ見運転などを警告するDMS(ドライバーモニタリングシステム)など、ADASを見据えた計9台のカメラとそれと連動するシステムを実装している。

その他、パネルを指でタッチした際に微細な振動で立体をクリックしたかのように伝える触覚伝達技術(HAPTIVITY)を搭載したディスプレーや、セラミック技術を応用した高音質なピエゾ(圧電)スピーカー、装飾用に開発された人工オパールなど、計12種類の京セラの技術が組み込まれている。

  • 京セラのコーポレートカラーの赤と白を使用しながら、内装はコンセプトカー向けに刷新し"近未来"を演出

    京セラのコーポレートカラーの赤と白を使用しながら、内装はコンセプトカー向けに刷新し"近未来"を演出

今回の2社による協業は、プラットフォーム事業で世界に打って出るGLMと、ファインセラミック技術やカメラ、ディスプレーなど幅広い車載向け製品を世界規模でさらに拡大したい京セラのビジョンが一致し、スタート。技術交流を重ねるなかで、京セラの技術を詰め込んだコンセプトカーの構想が始まったという。

車両試作は、2017年10月から開始し、京セラが持つデバイスやシステムを車載環境に合わせて改良しながら、両社共同で車両に搭載。実走行に耐えうるよう、各部品やシステムの連動をはかり、動作確認を繰り返して量産車への実装を提案できるコンセプトカーに仕上がった。

外観はGLMのスポーツEV「トミーカイラZZ」ながら、内装は京セラのデバイスに合わせてすべて刷新されている。内装デザインは、GLMのカーデザイナー石丸竜平が近未来感を演出するとともに、各デバイスが引き立つように仕上げている。

なお、同コンセプトカーは、5月23日〜25日に開催される「人とくるまのテクノロジー展2018 横浜」の京セラの展示ブースで、一般向けに披露される。また、GLM公式Vimeoチャンネルおよび京セラ公式YouTubeチャンネルにおいて、コンセプトカーの魅力を紹介するプロモーションビデオが公開されている。