オートデスクは4月20日、建築/土木インフラ業界の広範な業務ワークフローにBIM/CIMを適用しながら、同社の「Integrated BIM」を基盤にした企画、設計、施工、維持管理を効率的に可能とするソフトウェア群の最新バージョンを発表した。
中でもBIMソフトウェア「Autodesk Revit」の最新版となる「Autodesk Revit 2019」は、ユーザーが新機能のアイデアを投稿することができる同社のユーザーフォーラム「Autodesk Idea Forum」にあるカテゴリ「Revit Idea」に寄せられた複数の要望を汲み取る形で機能強化が図られたとのことで、ユーザー投票による要望数が多かった13項目がアップデートが実施されたという。日本からの要望も取り込んだとするが、「ワールドワイドと比べて意見の数が少なく、どれだけ直して欲しいのか、何がおかしいのか、そういった部分を積極的にアピールしてもらいたい」(同社担当者)と、より積極的なコミュニティへの参加が重要であることを強調する。また、日本語版のユーザインタフェース(UI)などの翻訳におかしい部分がこれまで存在していたとのことで、大手総合ゼネコンにUIおよび用語の検証を依頼して、より日本人に使いやすい環境の整備も図ったとする。
こうして改善された各種機能の中でも、もっとも大きく変更されたのが作業画面だという。具体的には、タブビューが採用されたことにより、従来、後ろにまわってしまった画面の切り替えをする際の手間を省くことが可能になったほか、リボンUIのアイコンの「タイルを並べて表示」アイコンを「タブビュー」に変更。これで選択したビューの拡大を可能とするなど、リボンUI部のシンプル化も果たされたとする。
また、このタブビュー化により、各ビューが独立して表示することができるようになったため、マルチモニタへの対応も可能となり、中央のUIに戻す際も最適な場所へ誘導するガイドも出るなど、使い勝手を考慮したほか、起動しているアプリケーションを表示するWindowsアイコン部に、どこのビューに何が映っているのか、といったサムネイル表示を可能とするなど、細かな配慮もなされている。
さらに日本のユーザーから要望が多かったのが、ハッチングの背景に着色が可能となる機能の追加。これにより、模様やマテリアルの表情も表現することが可能となった。このほか、日本ユーザーからの要望として取り入れられたものとしてフィルタの規則機能の向上がある。従来のフィルタは3つの条件までであったのが、より細かくフィルタ分けをすることが可能となり、複雑な掛け合わせを、無制限に実行することが可能になったとする。
なお、Autodesk Revit 2019ほか、同社のBIM/CIM活用が可能な建築・土木インフラ業界向けソフトウェア群の最新バージョンはいずれもすでに入手可能であり、Autodesk Revit 2019の希望小売価格はシングルユーザーあたり、1年間のサブスクリプションの場合で34万4000円(税別。インストール費用が別途発生するほか、オートデスク認定販売パートナー、販売店の販売価格はオートデスク認定販売パートナーおよび販売店がそれぞれ決定)となっている。