日本アビオニクスは、自動車内装部品の溶着品質向上に寄与する超音波発振機「SW-D900S-39」を発売した。同製品は、多彩な制御モードと外部信号による制御により設備への組み込みが容易で、トレーサビリティを重視した豊富なモニタ機能を搭載している。
同製品は、トレーサビリティを重視した豊富なモニタ機能を持ち、設備への組み込みが容易で高速な溶着が可能な超音波発振機。近年、自動車産業においては、自動車部品製造・組み立ての要となる「樹脂接合技術」の更なる高品質化が求められており、同製品は、同社の開発した超音波発振周波数追尾方式の持つ高速溶着を進化させ、「高速」かつバラつきを抑えた「高品質で安定した溶着」を実現している。
具体的には、独自技術である超音波発振周波数自動追尾方式ATHMOSとデジタル回路化を融合したことにより、従来の特長である高速溶着を維持しつつ、デジタル化による安定性と高機能を付加している。また、周波数、発振時間、ピークパワー、エネルギーだけでなく、外部センサ信号もモニタリング可能とし、1ショットごとの溶着良否判定が可能となった。発振モードに関しても、溶着アプリケーションに応じて選択でき、タイマー、エネルギー、ピークパワー、連続発振だけでなく、外部センサでの制御が可能で、市販の外部センサと組み合せた発振停止制御をすることもできる。この外部センサからの制御はPLCなどの外部制御機器を経由することなく、アナログ電圧信号を直接発振機に取り込めるため、高速、設備小、コスト減に貢献するという。
さらに、同製品はイーサネット接続を標準装備し、トレーサビリティの一元管理が可能となっているので、結果の出力や条件設定、プログラムの切り替えを外部から実行することができる。そのほか、専用の小型軽量コントローラによる遠隔操作式を採用し、自動機設備設計時間削減や省スペースに寄与するという。そのほか、同製品は自動機組み込みに向け外部インターフェイスの増強と堅牢性の強化を実現しており、高度な外部信号による高精細な動作に対応するだけでなく、冷却性能・防塵構造を大幅改善し、溶着時の発振エラーが発生し難い仕様となっている。より過酷な使用環境下における高負荷に耐え得るために、過電流保護回路も強化されているということだ。
今後同社は、生産性や高品質化に寄与する超音波発振機のラインアップ増強を推進していくという。また、接合4工法「超音波」、「レーザ」、「抵抗溶接」、「パルスヒート」の製品開発を加速させ、更なる品質や生産性の向上に貢献していくということだ。なお、同製品は4月25日~28日に東京ビッグサイトで開催される「国際ウエルディングショー」で出品・実演される予定となっているほか、新横浜事業所・中部支店(名古屋)・西日本支店(大阪)の接合実験室で、新製品の性能を実際に確認できるサンプル実験も実施される。