日立キャピタルのグループ会社、南相馬サステナジーは、福島県南相馬市の沿岸部に発電容量9.4MWの「万葉の里風力発電所」を建設し、商用運転を開始したと発表した。同発電所により、再生可能エネルギー発電事業に参画し、南相馬市の復興への貢献をめざすという。
同発電所は、日立キャピタルグループと南相馬市の地元企業4社の共同出資会社である、南相馬サステナジーが事業主体となって建設を進めてきたもの。南相馬市は2030年を目途に市内の電力全てを再生可能エネルギーで賄うことを目標に掲げており、南相馬サステナジーは、同発電所の建設に際して、福島県再エネ復興支援事業の対象事業者に採択されている。
同発電所の稼働により、年間で約1万トンのCO2排出抑制を実現する見込みとなっている。また、同発電所の年間予想発電量は一般家庭の約4,500世帯分に相当し、発電した電力は20年間にわたって全量を電力会社に売電するほか、「福島県再生可能エネルギー復興推進協議会」を通して、売電収益の一部を活用した植樹などの地域貢献活動に取り組む予定だという。また、2020年10月には、南相馬市および福島県飯舘村に新たな風力発電所の建設が計画されており、南相馬市が掲げる再生可能エネルギー推進へのさらなる貢献をめざすということだ。
日立キャピタルグループは、再生可能エネルギーなどの環境・エネルギーを注力分野と位置付け、2013年度以来、再生可能エネルギー事業を通じて累積約30万トンのCO2排出を抑制している。風力発電分野では2003年に金融サービスを提供して以来、事業パートナーとの連携を強化し、発電システムのリースや保険、ファイナンシャル・アドバイザー、発電事業などのノウハウを組み合わせたソリューションを一括提供している。同グループは今後も、風力発電事業の拡大により低炭素社会の実現に貢献していくということだ。