日立製作所は14日、高速道路を運営・管理する道路事業者やバスの運行管理を行う交通事業者などに、各事業者が有するIoTデータを分析・可視化する「交通データ利活用サービス」の提供を4月2日から開始することを発表した。価格は個別見積もり。

  • 高速道路会社における適用例

    高速道路会社における適用例

近年の少子高齢化により、道路・交通分野においても利用者・乗客および労働人口の減少が懸念されている。道路・交通事業者は、利用者や乗客の利便性を維持向上しつつも業務を効率化するといった経営課題を抱えている。政府が推進するSociety5.0においても、超スマート社会の実現を先導するシステムとして高度道路交通システムの実現が期待されており、道路・交通関係のさまざまなIoTデータの活用が求められている。

「交通データ利活用サービス」は、車両のプローブ情報などのさまざまなIoTデータを、地図やグラフなどで可視化し多面的に分析するもの。プローブ情報やバスの乗降に関する統計情報といった交通関連のデータから交通量や輸送需要を分析・可視化し、渋滞対策や運行計画の最適化など、利用者や乗客向けのサービス向上や従来業務の改善を支援する。

プローブ情報の分析においては、道路の形状などを考慮した位置補正技術により、正確に車両の位置情報を把握し分析の精度を高めた。顧客先に交通データ分析プラットフォームを構築・提供するサービスと、データを預かり日立が分析を代行するサービスのふたつの形態で提供される。プローブ情報から取得した車両の位置を補正することで、分析精度の向上を実現するなど、利用者・乗客の利便性向上のほか、道路・交通事業者の新規事業の創出、業務効率化に向けた各種施策の立案を支援する。

  • バス事業者における適用例

    バス事業者における適用例

なお、高速道路会社の適用例としては、各道路における車両の混雑状況や各区間の所要時間を地図やグラフなどで可視化し、今後の交通需要予測などに役立てることができる。過去の実績から生成した独自の交通量推定モデルにより、一部車両のプローブ情報からでも実体に近い交通量を算出可能となっている。また、バス事業者における適用例としては、バス事業者が保有するバスの乗降に関する統計情報や車両位置情報をビッグデータ解析し、輸送需要の発生・集中する地点や、需給状況を地図やグラフで表示し、運行計画の見直しや、路線改良などの検討に役立てることができる。