IC Insightsが行ったマイクロプロセッサ(MPU)市場調査によると、MPUの市場規模は2012年~2017年の5年の間に565億ドルから715億ドルへと拡大したという。また、製品種別としてもっとも成長したのは、組み込みプロセッサで、当該5年間で約8割ほど市場を拡大した。また、携帯電話やタブレットといったモバイルSoCも同期間で約6割ほどの市場拡大を果たしたが、PC/サーバ/メインフレームなどで使用されるコンピュータCPUは5%ほどの成長率に留まっており、コンピュータCPUが市場全体に占める割合は2012年の64%から53%へと下げている。
2018年以降のMPUの主役は誰か?
2016年で前年比9%増、2017年も同5%増と成長を続けてきたMPU市場についてIC Insightsは2018年も同4%増の745億ドルに到達すると予測している。また、今後2022年まで年平均成長率3.4%で継続して成長していくことが見込まれ、出荷量も併せて増加。2018年には28億個に達する見通しだという。
3タイプの市場比率は、シェアが低下傾向とは言いつつも、コンピュータCPUが引き続き最大市場で全体の52%を占める見通しで、そのうちのほとんどがIntelとAMDが販売するx86系、残り1%程度がArmベースやRISCプロセッサになるという。市場シェア2位となるのはモバイルSoC(ベースバンド除く)で、シェア32%(内訳は携帯電話向け28%、タブレット向け4%)と予想されている。そして組み込みプロセッサが残りの16%となっている。
IC Insightsでは、MPU市場は、コンピュータCPUの比率が下がりつつあるとはいえ、市場自体は成長を続けており、長年にわたって世界最大のICメーカーとして君臨してきたIntelが引き続き、支配的な立場を維持するとみている。ただし、その影響力はArmベースのSoCを搭載したスマートフォンやタブレットの市場拡大により、徐々に低下してきている。また、AMDも新アーキテクチャによるサーバCPU市場への積極的な販売を仕掛けることが予想され、IntelがいかにXeonの市場を守り、収益の拡大を図っていくかが、今後のポイントになる可能性がでてきたという。
なお、Intelをはじめ、AMD、NVIDIA、Qualcommなど、多くのプロセッサベンダが、サーバ、PC、スマートフォン、そして組み込みといった広範囲なアプリケーションに向けてディープラーニング用プロセッサやコプロセッサ、アクセサレータなどにも注力しており、今後、そうした分野の動向にも注目する必要があるという。