ルノー、日産自動車、三菱自動車の3社は、次世代モビリティの実現に向け、オープンイノベーションを支援する企業ベンチャーキャピタルファンド「アライアンス・ベンチャーズ(Alliance Ventures)」を設立し、今後5年間で最大10億ドルを投資する計画であることを発表した。

初年度には、クルマの電動化、自動運転システム、コネクティビティ、人工知能などの新たなモビリティに焦点を当てている新興企業や、技術起業家が参加するオープンイノベーションのパートナーシップを対象に最大2億ドルを投資する予定で、こうした取り組みを毎年継続していくことで、財務リターンを確保しながら、新技術や新ビジネスをアライアンスに取り入れることが可能になるという。また、新規事業の立ち上げにおけるあらゆる段階で戦略的な投資を行うことで、新たな自動車関連起業家の輩出や新規のパートナーシップの創出を図る狙いもあるとする。

Alliance Venturesは、既存の研究・先行開発チームと協力しながら、投資を行うイノベーション分野や市場を特定していくとしており、シリコンバレー、パリ、横浜、北京にあるアライアンスメンバーの技術研究センターや、強固なイノベーションエコシステムを有するエリアの近くに拠点を設ける予定だとしている。また、最初の投資先としては、コバルトフリーの全固体電池素材(固体高分子電解質)を開発している米Ionic Materialsを予定しており、Ionic Materialsの株式取得は、研究開発協力を目的とした同社とアライアンスの共同開発契約の締結時に行われる見通しだという。

なお、3社の出資比率はルノーと日産自動車はそれぞれ40%、三菱自動車が20%となっており、投資判断や業績管理を行う専門の投資委員会を設置する予定だという。