ソニーは19日、測距性能の向上と併せて一層の小型化を実現した1/2型でVGAの解像度をもつ裏面照射型Time of Flight 方式(以下、ToF方式)距離画像センサー「IMX456QL」を商品化し、2018年4月よりサンプル出荷を開始することを発表した。サンプル価格は3,000円(税別)。
ToF方式は、光源から発した光が対象物で反射し、センサーに届くまでの光の飛行時間(時間差)を検出することで対象物までの距離を測定する方式。同方式を採用したイメージセンサーは、画素ごとに距離情報を検出し高精度な距離画像を取得できる。遠距離から近距離にわたってさらなる精度向上を図るには、反射光を効率よく捉えるとともに、より高速に距離測定の処理を行う必要がある。
このたび商品化される裏面照射型Time of Flight方式距離画像センサー「IMX456QL」は、反射光信号の読み出し精度を上げる画素技術に、裏面照射型CMOSイメージセンサーの画素技術を組み合わせることで、10μm角画素を実現。単一カメラモジュールで約10mの遠距離から約30cmの近距離にわたり、高精度な測距性能を可能にしている。
また、同センサーは距離画像をフレーム単位で取得するため、レーザーで対象物をスキャンして測距する方式に比べ、高フレームレートで撮像が可能となり、動く対象物の撮像では距離画像の歪みを抑えることができる。
ソニーはIMX456QLのサンプル出荷にあわせて、カメラ開発を容易にするためのソフトウェア開発キット(ハードウェア、ソフトウェア)を提供する。