大日本印刷は、同社の開発した、アルデヒド系やケトン系の臭気を吸着して取り除く「DNPにおい吸着包材(アルデヒド・ケトン用)」が、複数の医薬品メーカーの高血圧治療薬の錠剤用PTP包装材として採用されたことを発表した。今後、12月から発売される複数の医薬品メーカーの高血圧治療薬に使用される予定となっている。
「DNPにおい吸着包材(アルデヒド・ケトン用)」は、時間の経過とともに発生してくる“アウトガス”の特定の臭いを吸着する材料を添加した機能性フィルムを使用した包装材。高血圧治療薬の錠剤は、水分と反応して不快な臭いのケトン成分を発生させるため、その臭いが患者の服用阻害の要因となっていたが、同素材で医薬品を包装することによって、臭いの成分となるアウトガスをフィルムが吸着して取り除くことができるという。これによりパッケージ開封時にはほぼ無臭で、臭いによる不快感を軽減できるということだ。
同素材は、DNPが2015年9月に開発したもので、ガス吸着評価実験では、不快臭ケトン成分がフィルムに吸着され、24時間後にガスがほぼ100%フィルムに吸着されることが確認されている。また、一度吸着した臭気成分は再放出されないため、継続的に効果を得ることができる。医薬品のパッケージに使用すると、消臭剤の小袋を中に入れる必要がなく、消臭剤の誤飲の恐れがないというメリットもあるという。
なお、「DNPにおい吸着包材(アルデヒド・ケトン用)」は、アルデヒド系やケトン系の臭気のほか、滅菌処理臭や樹脂分解臭などの吸着にも効果があるということだ。