新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、テムザックが、スムーズな移乗を可能にする次世代スマートモビリティとして、電動車いす型ロボット「RODEM」を開発し、11月20日から販売を開始したことを発表した。

電動車いす型ロボット「RODEM」

世界的な高齢化や健康志向の高まりを受け、医療、介護、健康、福祉などの生活支援関連の産業分野ではロボット技術の活用が求められている。NEDOでは、導入地域のニーズや事業により得られた成果から、さらなる技術水準向上および海外展開や市場化の促進などを図ることを目的に、ロボット分野の国際研究開発・実証事業を実施してきた。

テムザックは、この実証事業において移乗が簡単な車いす型ロボットの実証機を開発し、デンマークにおいて介護や福祉に従事する人の負担軽減や、車いすを利用する人の自立支援に関する検証を行ってきた。

今回、同社が販売を開始した電動車いす型ロボット「RODEM」は、前方から「座る」形式の一般的な車いすとは異なり、後ろから「座る」形式を採用し、体の向きを変えることなくベッドや椅子、トイレなどへの移乗が可能となっている。これにより、ユーザーの背中や腰にかかっていた負担も大幅に軽減されることが期待されるなど、実用化に即した機能に絞り込み、被介助者と介助者双方の負担を減らす工夫が凝らされている。

また、Bluetoothによるスマートフォン連携機能を搭載し、スマートフォンからの遠隔操作が可能でとなっているほか、座面の上下機能により歩行者とほぼ同じ目線での移動や会話が可能。さらに、小回りが利くため、エレベーターやトイレなど狭い空間でも反転することが可能ということだ。

利用シーンの例

今後、介護福祉の分野で、欧州をはじめとする多くの国々で日本のロボット技術を生かした本製品が普及し、被介助者の自立支援や介助者の負担軽減に寄与することが期待される。

なお、同ロボットは、11月29日~12月2日に東京ビッグサイトで開催される「2017国際ロボット展」のNEDOブースにおいて、展示される予定となっている。