11月8日から10日にかけて、幕張メッセで国内最大級規模のIT専門展「Japan IT Week 秋 2017」が開催された。今回の展示会は、初出展210社を加えて640社が出展、開催初日の8日、雨でスタートするなど天候に恵まれなかったが、49,345名が来場、商談や最先端の展示品を見学する業界人で会場はにぎわった。今回は、EXPOの第8回クラウド コンピューティング EXPO 秋 からクラウドがいっそう親しみやすいものになりつつあるなか、大規模なIT化がなかなか難しい環境にあると言われる中小規模の企業でも導入しやすそうなシステムが増えている。そんな中、"IT技術で中小企業を強くします"を掲げクラウドサービスを展開するラクスについて紹介しよう。
社名のラクスは、「楽」(らく)という文字から採っている。システムが"楽"に使えて中小企業で働く人が仕事も人生も"楽しく"なるようにという願いが込められているそうだ。働き方の改革は柔軟性が求められる。「楽しく」、「楽に」というのも頷ける。決して「苦しく」、「怠惰」に仕事を進めることを良しとするわけではない。IT技術者派遣やレンタルサーバーも行う同社は、2010年に社名をアイティーブーストから親しみやすさも込めてラクスへと変更している。そんな同社がクラウド コンピューティング EXPO秋で展示するのは、申請者&経理担当者が楽になる「楽々精算」とクラウド業務システム構築ツール「働くDB」など、バックオフィスの業務効率化を進めるクラウド製品の数々だ。なかでも支払われる方も支払う方も億劫になりがちな経費精算を多々ある機能でサポートする「楽々精算」は使いやすそうだ。
申請者も経理担当者も楽になる「楽々精算」
ラクスが今回の展示会において一押しするのが、申請者&経理担当者が楽になる「楽々精算」だ。同サービスは、申請者→承認者→経理担当者のフローはもちろん、交通系ICカード取込機能、ジョルダン乗換案内内蔵の経路交通費自動算出と申請者を"楽"にする機能、定期区間の自動控除、自動仕分け・会計ソフト連携や銀行振込データ出力と経理担当者を"楽"にする機能。ほかにもクレジット連携や仮払金申請、予算管理機能やバーコード承認機能など多くの機能を備えている。1~50ライセンスでの月額費用は30,000円から利用できる。
同サービスについて担当者は、「同システムを使うと交通系ICカードを使っても、会社用と私用を完全に分けて利用できるので大変便利です」「精算も自動で行われ経路や運賃も最適なものを自動計算するので不正も逃しません」とコンプライアンスに厳しい企業でも安心して利用できると製品をアピールしてくれた。
ビジネスパートナーも発注者も楽になる「楽々明細」
もう一つの展示品がWEB+郵送も可能なWEB帳票発行「楽々明細」だ。請求書や納品書、支払い明細に領収書。毎月発行する帳票を発行する手間も大変な業務だ。これらの手間がITの力でゼロになるならば、本来向かうべき業務にどれだけ集中できるかという声はよく聞く話だ。ラクスでは、帳票発行の手間をゼロにします!とWeb帳票発行システム「楽々明細」もブースに展示していた。
CSVのみならずPDFにも対応した請求書、納品書、支払明細、領収書など帳票データをクラウドにアップロードすると楽々明細が相手にPDFで届く。PDFを主としたWeb帳票のみならず郵送での発行代行機能も備えているため、相手側のWeb/紙での要望にも応えられる。
紙での1枚ずつの対応と比較すると手間と時間が大きく異なる。また郵送でのやりとりではお互い相手の時間を拘束してしまうが、Web帳票ではタイマーで発行、相手には即座に届けられる。まだWeb帳票を導入していない企業にとっては大きな"楽"になる。こちらは月300件の発行での月額利用料金は18,000円からだ。予算を大規模にかけられない、少人数からスケールアウトしたい、ピンポイントで業務改善機能が欲しい企業には始めやすい設定だ。いずれのサービスもバックオフィス業務の効率化を図ると同時にサービス利用者に使いやすさや利便性を与えてくれるもの。クラウドに任せられる業務は任せ、本来向かうべき業務や新たな業務に心地よく向かうことが肝要だと改めて思わせてくれた。