ボッシュとインクリメントPは10月26日、車載センサーを使った自動運転用高精度地図の分野における協業で合意したと発表した。今回の協業では、ボッシュがローカリゼーションレイヤーをインクリメントPに提供し、インクリメントPはこれを高精度マップに取り込んだ日本の自動運転用マップを作成するという。
自動運転の実現には、車両は自車の正確な位置情報を常に把握している必要があるという。ボッシュは、これを実現するために車載カメラおよびレーダーを使用した自車位置推定技術である「Bosch Road Signature」の開発に取り組んでいる。
車載センサーから得たデータは同社のクラウド上で加工し、加工したデータであるローカリゼーションレイヤー(自車位置推定のために使用する地図の構成要素)は常に更新するという。このローカリゼーションレイヤーを、パートナー企業が作成する高精度地図に統合する。自動運転車両は、車載センサー経由で入手した物体に関する情報とローカリゼーションレイヤーから得た関連情報を比較し、自車の位置を推定する。
レーダーを用いた自車位置推定技術である「Radar Road Signature」では、数cm単位の精度で自車位置の把握が可能になる。また、レーダーを使用しているため、車載カメラをベースにした自車位置推定と異なり、夜間や雨天時など視界の悪い環境下でも自車位置を把握できるという。クラウドに送信するデータ量も、カメラベースのマップと比べ抑えることを可能としている。
なお、同社は現在、北米・欧州・中国において主要なマッププロバイダーと提携し、Bosch Road Signatureを使用した自動運転用の高精度マップを開発している。