NXP Semiconductorsは、コネクテッド・カー、電気自動車 (EV)、自動運転車向けの制御/コンピューティング・コンセプト「NXP S32プロセッシング・プラットフォーム」を発表し、10月10日、都内にて報道陣向けの説明会を実施した。

プレミアム・カー、量産車の双方で近く採用予定のこのプラットフォームは、自動車OEMに統一化されたアーキテクチャのマイクロコントローラ/マイクロプロセッサ(MCU/MPU)製品群と、さまざまなアプリケーション・プラットフォームに対応可能な単一のソフトウェア環境を提供する。

NXPが提供する「NXP S32プロセッシング・プラットフォーム」

説明を行った、NXP Semiconductorsの副社長兼オートモーティブ・マイクロコントローラ&プロセッサマーケティング&ディストリビューションを務めるRoss McOuat氏

近年、自動車は自動運転技術をはじめとした技術の進展により、アプリケーションと異なるソフトウェア開発手法が混在することがメーカーの負担となっている。先進的な自動車では、ソフトウェア・コードの行数(LOC)が、最新の旅客機よりも大きくなるとまでいわれており、メーカーとサプライヤにとって、市場投入期間の制約の中で、高度な製品を提供することが難しくなってきている。

自動車のソフトウェア・コード(LOC)の総数は上昇している。その数は指数関数的に増加し、次世代の自動車では旅客機を超えるといわれている

自動車に求められる技術は高度化していき、それにともない高い開発効率が求められる

今回発表されたプラットフォームは、MCU、MPU製品群へのスムーズな移行手段と、車載アプリケーションにわたって対応可能な単一のソフトウェア開発環境の提供によって、こうした課題に対応するとしている。同プラットフォームが提供するソフトウェア開発環境により、メーカーは、コストのかかる研究開発成果のリユースが可能になり、車載アーキテクチャの変更時や市場投入期間に対する要求に対応できるようになる。

さまざまな車載機器とアプリケーションに対し、ハードウェアとソフトウェアのリユース率を最大化(最大90%)する。さまざまな車載アプリケーションに対応するほか、共通ハードウェアとソフトウェアにより、安全性、セキュリティ、無線通信経由ソフトウェア・アップデート機能(OTA:Over the Air)を提供する

なお現在、8社のOEM企業が同社のサードパーティ・パートナーから入手可能なプレシリコン・エミュレーション/開発ツールを使用しているということで、今後、パートナー企業がこれらの機能に関連した発表を行っていく予定だとしている。