新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、日印共同のデリー・ムンバイ間産業大動脈構想のもと、日立製作所、日立システムズ、伊藤忠商事とともに、インドのデリー・ムンバイ産業大動脈開発公社(DMICDC)と共同で、同国ラジャスタン州ニムラナ工業団地のユーザー企業に対し、太陽光発電を活用した安定電力供給を実現するマイクログリッドシステムの実証を開始したことを発表した。
インドは経済発展に伴う電力需要の拡大により、2025年までに中国と米国に次ぐ電力消費大国になると見込まれている。しかし、電力供給は不安定で、インドに設備を有する企業からは安定した電力の安定供給が求められている。また、インド政府は再生可能エネルギーの導入促進計画として、2022年までに175GW(太陽光・熱発電100GW、風力60GW、バイオマス10GW、小水力5GW)の導入目標が掲げられている。
NEDOは、日印共同のデリー・ムンバイ間産業大動脈構想のもと、日立製作所、日立システムズ、伊藤忠商事とともに、DMICDCと共同で、同国ラジャスタン州ニムラナ工業団地において太陽光発電システムを活用して、太陽光発電システムと複数のディーゼル発電機とを連携したマイクログリッドシステムを構築し、ディーゼル燃料の消費量を抑制しつつ安定した電力を供給するマイクログリッドシステムの実証を開始した。
同システムは、1MW規模の太陽光発電システムとディーゼル発電機を組み合わせて制御することにより安定的な電力供給を可能にするもの。これまでに試運転を完了し、このたび実証事業の開始に至った。この事業では、同工業団地内にあるMIKUNI INDIA PRIVATE LIMITEDに安定した電力を供給するシステム実証を2年間実施し、日本のマイクログリッド技術の有効性を実証し、同国での普及を目指す。
また、インドの厳しい日射環境下において、日本の薄膜太陽電池パネルが本来の性能を発揮し、安定した電力を供給できることを確認するため、同工業団地内に5MW規模の薄膜太陽電池の太陽光発電設備を設け、2015年7月より実証試験を行っている。