島津製作所は、同社のグループ会社・島津テクノリサーチと共同で、新薬開発などを目的に実験動物の血液検体を分析する製薬メーカーや機能性食品メーカー向けに、微量な検体の採取や分析に必要な血漿の分取を容易に行える、非臨床分野用のマイクロサンプリングデバイス「MSW2(エムエスダブリュースクウェアード)」の販売を開始したことを発表した。

「MSW2」を構成する「Microsampling Wing」(左)と「Microsampling Windmill」(右)

MSW2シリーズは、非臨床動物実験向けに微量の血液から一定量の血漿を容易に分取するためのツール。動物実験の基準理念である3Rs(Replacement:代替、Refinement:改善、Reduction:削減)の観点に基づいており、検体の負担軽減に貢献するほか、試料採取工程から一定量の血漿を分取する作業までをデバイスのみで完結できるため、ヒューマンエラーを減らすという。

このたび販売を開始した「MSW2」は、血液検体を採取・保持するための樹脂製デバイス「Microsampling Wing(マイクロサンプリング ウイング)」と、最大14個まで「Microsampling Wing」をセットできる専用のホルダ「Microsampling Windmill(マイクロサンプリング ウインドミル)」から構成される。

「Microsampling Wing」で採取した血液検体を「Microsampling Windmill」にセットし、そのまま遠心分離を行うことで、血液中に占める赤血球容積の割合である「ヘマトクリット値」の変動に従って、23μLの血液から最大8.1μL、通常で5.6μLの微量な血漿を、高度なトレーニングや煩雑な作業なしで分離し再現性よく取り出せるという。

なお、「Microsampling Wing」(1パック14点入り、10パックから販売)の定価は23万8千円、「Microsampling Windmill」(1パック10点入り)の定価は4万円、トライアルパック(「Microsampling Wing」1パック14点と遠心分離用チューブ14点入り)の定価は5万円。