富士通とPFUは3月30日、中国電力とエネルギア・コミュニケーションズと共同で、発変電所巡視業務において、電力量計の数値をタブレットのカメラを使い、自動で読み取る実証実験を2016年10月から12月までの3カ月間実施したと発表した。

中国電力では、各発変電所の所内電力量を記録するため、作業員が電力量計の数値を読み取っているが、目視確認と写真撮影を行った上で数値の記録をしているため、業務を正確かつ効率的に実施したいというニーズがあったという。

これまで、さまざまな画像認識技術の活用を検討したが、天候や電力量計の設置環境などにより、数値の認識が正確にできないほか、アナログ式の電力量計では数値の回転度合いが多様であるため、認識精度も課題となっていたため、所内電力量記録作業の精度向上と将来的な所内電力量自動読取機能の実現に向けて実証実験を行った。

実証実験では、PFUが開発中のAI技術の1つであるディープラーニングによるメーター読み取りシステム(PFUが特許出願中)を用いて、中国電力の6カ所の変電所のアナログ式およびデジタル式電力量計にタブレットをかざし、自動撮影を行い、高い認識精度でメーターの数値を読み取れることを確認した。また、学習データを追加することで、認識可能となるメーター機器の種類を拡充できるという。

実証実験の様子

今後、富士通とPFUは、今回の実証結果をベースに改良を行い、認識精度向上と適用範囲の拡大を進め、電力量計以外の圧力計、温度計、流量計など各種メーターへ対応することにより、ビルや向上などメーター読み取りに関するさまざまな業務へ適用を拡大していく方針だ。