電子情報技術産業協会(JEITA)は3月10日に開催した「第9回 LPBフォーラム」において、電子機器設計において半導体・パッケージ・部品・ボード間必要情報伝達の際の項目と書式を定義したLPB(LSI-Package-Board)規格が、2015年にIEEE標準(IEEE 2401-2015)となったのに続き、2016年にIEC国際標準(IEC 63055)として制定・発行されたことを明らかにした。
LPBは、産業機器や自動車分野に求められる高品質、高性能化に伴う高密度化、高速化などのニーズを、半導体チップ、パッケージ、ボードを相互接続させることで、対応することを目的としたフォーマット。JEITAの半導体部会EDA技術専門委員会LSIパッケージボード相互設計WG(当時)が起案し、2014年に策定されたバージョン2.2と呼ばれるものが、IEEEならびにIECの国際標準として策定・発行された。
また、現在、JEITAでは、さらなるブラッシュアップや機能拡張を図るバージョン3.0の仕様策定作業を進めており、2017年度末(2018年3月)にJEITA標準としてマイナーリリースする予定としている。同バージョンは、その後、IEEEでの改定活動を経て、2020年にIEEE 2401-2020、2021年にIEC 63055 Ed2としてそれぞれ標準化されることを目指すとしている。
ちなみにバージョン3.0では、制約や構造定義の強化のために、C-FormatにN-FormatやR-Format(いずれもLPBで用いられるフォーマット)で定義されるネットやレイヤ、デザインルールを参照する項目が追加されるほか、電気特性解析に加えて、熱解析も対象とし、外部モデル(2抵抗モデルやDelphiモデル)を指定することが可能となる予定。また、外部接続をルールベースでマッチングさせる記述を追加したほか、外部モデルとしてIBISの対応も強化するという。さらに、C-Format、R-Format、M-Formatのエレメントとアトリビュートでのユーザ独自の記述を、ユーザ拡張領域としてサポートすることが可能になるとしている(ただし、ユーザ拡張領域の識別名はJEITAで管理し、標準化を検討するという)。
なお策定作業を進めているJEITA半導体設計技術小委員会では、バージョン3.0の標準化は2017年に1つの山場を迎えることになるとしており、こうしたことを対応してもらいたい、といった意見などを広く提案してもらいたいとコメントしている。