島津製作所は11月1日、液体クロマトグラフ(LC)と超臨界流体クロマトグラフ(SFC)が1台のシステムで使用できる「Nexera UC/s」システムを発売した。

同システムは、LCとSFCの両方の分離モードを持つため、LCでは分離が難しかった成分でもSFCの超臨界流体の二酸化炭素を用いることで分離向上が期待できる。また、超臨界流体の二酸化炭素を用いて試料中の目的成分のみを抽出する超臨界流体抽出(SFE)を組み合わせることで、試料の前処理操作の簡便化も可能。既存の超高速液体クロマトグラフ「Nexera X2」システムからのアップグレードも可能で、新規に導入する場合と比べ、装置導入コストを約1/2に抑えることができる。

なお、日本国内ではシステム導入に際して、二酸化炭素に圧力をかけて超臨界流体へ変化させる行為が高圧ガスの製造行為と判断されるため、Nexera UCの導入にはこれまで、地方自治体に高圧ガス製造設備としての許可申請・届出が必要となっていたが、11月1日の高圧ガス保安法施行令の一部改正により、超臨界流体を用いたシステムに対しては150L以下の高圧ガスを利用するもののうち、リスクの小さな製品として法の適用対象から除外となり、申請書類の整備が免除され、通常の液体クロマトグラフと同程度の分析技術スキルで使用できるようになった。

価格は、標準Nexera X2システム構成からのアップグレードで860万円(税別)から、新規導入で1800万円(税別)からとなっている。

「Nexera UC/s」