ちょっとした記念撮影は、スマホで。そういう人は近頃多いのではないだろうか。カメラも高機能化し、共有したい時にすぐ送れるという点で、記念撮影とスマホの相性が抜群に良いのは言うまでも無い。

だが、被写体と向き合って撮影できて、しかも手頃なフォトスポットとして「水族館」がある。ここではアドビ システムズ主催のプレスセミナー「水族館の撮り方 メディア説明会」でレクチャーを受けた撮影のポイントを、筆者が実際に撮影・加工した写真を交えてお届けする。

サンシャイン水族館

セミナーの会場となったのは、東京・池袋の「サンシャイン水族館」。水族館としては非常にアクセス良好で、近年人気が高まっているカワウソやペンギン、アシカのような動物から、エイ、クマノミ、イワシなど多様な魚たちが見られる水槽まであり、コンパクトながら良好な「撮影スポット」と言える。

今回撮影方法をレクチャーしてくれたのは、写真家・水咲奈々氏。「赤ちゃんから戦闘機まで」撮影するプロカメラマンで、水族館での撮影に魅了され、サンシャイン水族館にもよく訪れているという。

1:映り込みに注意!

写真家・水咲奈々氏

自撮りや食事の撮影ではまず起こらないことだが、水族館は被写体は水槽の向こうにいるため、スポットライトの光や非常灯、さらには撮っている自分の姿などが写り込む。

これを防ぐためには、「まっすぐに、くっつく」ことを心がけるべき、と水咲氏。水槽とレンズが平行になるよう、ぶつからない程度に水槽に接近することが重要だと強調した。

サンシャイン水族館では、クラゲの水槽などで球面の水槽が使われている。位置によっては非常灯の映り込みが起こる位置もあるので、円周上に動いて「良い位置」を探すのがコツ。また、背景が透けている水槽もある。この場合、向こう側になるべく人やモノが入らないところを探すのがポイント。魚の動きに合わせて動く必要のある状況なので焦りがちだが、「映り込み」防止の原則のまっすぐ・くっつく姿勢は忘れずに。

カメラの設定は、背景が暗く、逆光で抜け感のある被写体はコントラストを上げたほうがクールな印象に撮れるため、露出補正をマイナスに振る(-0.3~-0.7)といい画になりやすい。逆に、魚も水槽も明るい場合は、露出補正をプラスに持って行った方が透明感のある画になる。