本稿では、弊誌にて掲載しきれなかった国内の大学・研究機関の研究成果に関するニュースリリースをご紹介する。今回は、8月29日~9月2日付けのリリースからお届けしたい。 宇宙・物理系 東大など、ディラック電子の異常な振る舞いを明らかに 理研と東大、電場によるスキルミオンの生成・消滅に成功 東北大、超薄膜物質の磁性を容易に測定できる手法を開発 筑波大、電子の運動を光の周期よりも短い時間で操作することに成功 名古屋大、原子面分解能ナノ磁性測定法の開発に成功 阪大など、トポロジカル近藤絶縁体の特異な2次元電子状態を発見 物質・材料・化学系 理研など、環境の変化に応じて瞬時に色を変える新材料を開発 理研と三井化学、ポリマー末端基の新測定法を開発 理研と早稲田大、ワンポット合成で天然物を神経分化調節分子へ 理研、生体親和性の高いバイオプラスチックの生産に成功 東大、アモルファス物質におけるフォノンの過剰散乱とその起源 東大など、オンデマンド光機能酸化物ヘテロ構造の合成に成功 北大、多種多様な抗菌ペプチドを効率良く生産可能な新技術を開発 明治大、カリウムによるラン藻のバイオプラスチック増産効果を発見 名古屋大、低温プラズマによる簡便で高速なシュウ酸合成プロセスの開発 バイオ・生命科学系 理研、神経新生の生体イメージングに成功 理研、Sar1の生細胞内三次元局在を可視化 理研、ゴルジ体槽成熟の分子機構を解明 東北大、生体分子モーターの自動運転の仕組み 東大、2種類の異なるホルモンが生殖を調節するしくみを証明 遺伝研、「データ同化技術」を用いて細胞質流動の原動力を推定 遺伝研、イネ減数分裂染色体のヒストンH3修飾リプログラムに関与するタンパク質 京大、葉緑体が光に集まる反応を制御する新たな因子の発見 東工大、エピジェネティックマークを生体内で観るための細胞内抗体プローブを開発 医療系 東北大、リンパネットワークを介した新しいがん化学療法を提案 東大、急性肺障害の悪化因子を発見 遺伝研、がんが腫瘍ホットスポットに生じる仕組みを明らかに 阪大、統合失調症の認知・社会機能を予測する手法を開発 NCNP、自閉症スペクトラムのリスク因子としてアンチセンスRNAの発現調節が関わる 長崎大、日本における青年期以降のHTLV-1新規感染者の実態を明らかに 愛媛大、アレルギー炎症の抑制メカニズムを解明 その他 静岡大と東北大、地球のプレートは海の存在によって弱くなる 愛媛大、妊婦の職場での受動喫煙が子の行動的問題のリスクを増加させる 弘前大、新たな品種作出技術でジャガイモの改良へ 科博、日本近海に回遊するオサガメの起源を解明 農研機構、コウモリを真似た超音波でガの飛来を阻害 OIST、細菌感染を誘発しうるべん毛の形成についての調査 JAMSTEC、ブラックカーボンの除去率を降雨量と結びつけて定量的に評価 JAEA、花崗岩の主要な構成鉱物中に物質を閉じ込める微小空隙の存在を確認 北大など、全国都道府県の組合せ隣接ブロックの数え上げ・索引化に成功 北海道大学などは、全国の都道府県の組合せからなる隣接ブロックを網羅的に数え上げて索引化することに成功。都道府県の組合せ隣接ブロックの総数は1098億5712万5702通りであることが明らかになった。図は東京都を含む隣接3都県ブロックの例(全部で14通り)