エリジオンは7月20日、燃料電池の3D CADデータから、燃料電池専用のシミュレーターに最適なメッシュを自動生成する技術を開発したと発表した。同機能は、みずほ情報総研が8月にリリースするシミュレーションソフトウェア「P-Stack 4.0」に搭載される。

P-Stackは、従来のCAEソフトウェアでは実現が困難であった燃料電池セル・スタックの性能評価や予測を、独自の計算手法によって実現したシミュレーションソフトウェア。同ソフトでは性能評価で要求される精度を保持しつつ、解析に必要なメッシュを粗視化して計算コストを低減する仕組みを採用しているが、必要なメッシュが一般的なCAEソフトウェアで用いられるものとは異なるため、既存のメッシュ自動生成技術をそのまま適用することができなかった。

これに対しエリジオンはP-Stackが解析のために必要とする最適な粗視化メッシュを3D CADデータから自動生成する、新たなアルゴリズムを開発。これにより、従来ユーザーが約1週間かけて行っていた解析用のメッシュ作成作業が、1日程度で完了するようになるとしている。

従来の解析までの流れ(上)をはるかに効率化することが可能

P-Stack 4.0による自動メッシュ生成の例。(左)燃料電池セル(上からセパレータ/カソード流路/MEA/アノード流路/セパレータ)のメッシュ(右)アノード流路のメッシュ