新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月6日、マレーシアのプトラジャヤ市において、大型の2階建て(ダブルデッカー)EVバスシステムの実証を行うと発表した。

プトラジャヤ市は、政府機関が集中しているため都市計画としてグリーンシティを掲げており、NEDOは、都市交通システムの効率向上によるスマート化を目指して、同市と基本協定書(MOU)を2015年7月に締結。超急速充電システムや蓄電池の長寿命性能など、EVバスシステムの実証事業を実施している。

またダブルデッカーバスは、道路占有面積・運転手あたりの輸送能力が高いため、マレーシアをはじめASEANなどのアジアの人口過密地域で導入が進んでいるが、バス車両重量が道路の重量制約上限値に達してしまうことから、EV化は困難とされてきた。

そこで今回、NEDOは同市の協力を得て、ディーゼル並みの運行性能を有する大型のダブルデッカーEVバスを開発。実証においては、長寿命かつ超急速充電可能な二次電池を搭載したフルサイズ(長さ12m)のEVバス2台を主要な営業路線で走行させる。また、超急速充電システムを現地に設置し、搭載電池の品質、充電状態およびバス運行状況のモニタリングシステムを構築していく。

NEDOは6月3日、同市と同実証の実施について協力を進めていくことに合意し、MOUの改訂を行った。なお同実証は、東芝、ピューズ、ハセテック、オリエンタルコンサルタンツグローバルの4社およびマレーシアのバス運行会社であるPAPSBが共同で行う。

大型の2階建て(ダブルデッカー)EVバスシステムのイメージ