日本コカ・コーラは、新しいデジタルマーケティングプラットフォームとして「Coke ON」のサービスを4月8日より開始することを発表した。
これまで同社では、会員制WEBサイト「コカ・コーラ パーク」の運営や、フェイスブック、ツイッター、LINEといったソーシャルメディアを活用したブランドコミュニケーションなど、さまざまなデジタルマーケティング施策を行ってきた。今回発表された「Coke ON」は、同社の「デジタルマーケティング3.0」に位置づけられており、「この先何年にもわたって使ってもらえるよう、育てていきたい」と意気込みをみせる戦略となっている。
日本コカ・コーラのデジタルマーケティングの歴史
日本コカ・コーラは、2007年にデジタルマーケティング1.0として「コカ・コーラ パーク」を開始した。現在では、PCやスマートフォンなどのブラウザから、さまざまな製品ブランドのキャンペーンやコンテンツを楽しむことのできる会員制WEBサイトとして、約1,300万人の会員を抱えているという。
また、ソーシャルメディアの普及と並行して2012年以降にはデジタルマーケティング2.0として、フェイスブック、ツイッター、LINE、インスタグラムで「コカ・コーラ」をはじめとする、製品ブランドの専用アカウントを立ち上げ、ユーザとリアルタイムでのインタラクティブなコミュニケーションを開始した。同社が運営するソーシャルメディアのアカウントは現在ユーザ数は合計で約2,000万人となっている。
そして今年、新たな領域として、デジタルマーケティング3.0となる「Coke ON」を展開していくことを発表した。この「Coke ON」のサービス第1弾となるのが、「Coke ON」アプリに対応したコカ・コーラ自動販売機「スマホ自販機」でのロイヤリティプログラムだ。
「Coke ON」について、同社の代表取締役社長 ティム・ブレット氏は次のようにコメントした。
「『Coke ON』は、ワクワクするようなコンテンツや便利なサービスを消費者に提供するのと同時に、自動販売機ビジネスの新たな価値創造につながっている。"ブランド"ということが、イノベーションとして頭に浮かぶと思うが、自動販売機も1962年の誕生以来、イノベーションで歴史を重ねてきた。ここにまた1つ、日本から発信される新たなイノベーションが誕生する。『Coke ON』は現在、日本以外の世界のどこにも存在しない。ほかの国々も今後非常に高い関心を示してくることは間違いないだろう。前向きで幸せな瞬間を日本中に届けるコカ・コーラの使命の実現を、最新技術を活用した『Coke ON』が貢献してくれると期待している」
自動販売機をこれだけの台数、設置している国は日本くらいだそうだ。海外では、窃盗のリスクなどから、屋内では設置されても、屋外ではあまり設置されないという。つまり、この「Coke ON」は、日本だからこそ体験できるサービスであり、マーケティング手法となるのだ。
「Coke ON」第1弾のサービスとは?
「Coke ON」のサービス第1弾は、ユーザが「Coke ON」アプリを利用して「スマホ自販機」と接続した状態でコカ・コーラ製品を購入すると、製品の種類やサイズに関わらず1本につき1スタンプが獲得でき、15スタンプたまるごとに「スマホ自販機」で好きな製品1本と無料で交換できるドリンクチケットが獲得できるというものだ。
「スマホ自販機」にはBluetoothが内蔵されており、スマートフォンのBluetoothをオンにすることで、接続できる仕組みとなっている。同社のコマーシャルリーダーシップ&ベンディング事業部 統括部長の二宮淳氏が「一連のプロセスを自動販売機に触ることなくできる点が、今回の技術に力を入れたところ」と述べるように、商品購入時以外は自動販売機に触れることがない。
利用手順は、まずBluetoothをオンにしてアプリを起動させ、自動販売機の金額表示部分にある黄色いバーにスマートフォンを近づけて接続させる。バーが青色になると、接続されている証拠だ。アプリを接続させた状態でドリンクを購入すると、アプリ上のスタンプがたまる。
ドリンクチケットを使う場合は、同様に接続させた状態で、アプリ内のチケットを選択する。この時、接続されている自動販売機で販売されている製品のみが、アプリには表示される。
チケットを選んで自動販売機に向けてスワイプすると、商品が落ちてくる。