MM総研は3月24日、2015年(1~12月)のPCサーバ国内出荷実績について発表した。これによると、国内PCサーバ出荷台数は、前年比4.5%減の49万906台となった。一方、出荷金額は、前年比7.4%増の2,595億円、出荷平均単価は52万9,000円と前年比5万9,000円の増加となった。

2015年のPCサーバ出荷台数は、上半期が2014年同期と比べて3%減の24万7,337台、下半期は同6%減の24万3,569台となり、年後半に減少幅が拡大した。上半期にはWindowsサーバOSのサポート終了に伴う更新需要があり台数減少幅は縮小したが、対前年比での台数増にはつながらなかった。下半期は再び出荷台数が伸び悩んだ。

PCサーバの出荷台数実績と予測

出荷金額は増加を続けており、クラウド基盤としてメモリ性能やサーバ内・サーバ間の高速通信性能の向上が求められていることがその背景にあるという。また仮想化により複雑化するサーバ運用の簡素化や自動化といった、機能面への要求が高まっているとのこと。

PCサーバの出荷金額と平均単価の推移

出荷金額の対前年比を半期別に見ると、上半期は12%増、下半期は3%増であり、上半期に大きく伸びた。サーバ仮想化技術を利用する複数サーバ統合の動きが引き続き加速しており、データセンター専用の高密度サーバなどに需要がシフトしているという。

ITのリアルタイム利用やビックデータ利用のため大量のデータ処理の高速化やリアルタイム化が求められており、フラッシュ・メモリやI/O高速化といった分野での需要拡大が単価押し上げの要因だと同社は見ている。

2016年の市場はIoTやAI、ビッグデータといった今後のICTを牽引する新技術の適用が活発になり、ますますクラウド化への対応が進むと同社は見る。サーバは仮想化基盤としての利用が広がり高性能化が進むことから、台数は1.4%増の49万7,900台、金額は7.9%増の2,800億円になると同社は見込んでいる。

マイナンバー対応については、政府官公庁系基盤はオンプレミスを主体とするプライベートクラウド環境だが、民間企業ではパブリック型クラウドの利用も進んでいるという。IT利用がいっそう進む状況において、サーバベンダーに加えてユーザにおいてもセキュリティ強化などITガバナンスの強化が急務となっており、ベンダー側には製品の提供や保守以外に、運用やガバナンス、ポリシー策定支援など、より上位のユーザ支援が求められていると同社はいう。