ソシオネクストは3月23日、NHK(日本放送協会)と共同で、HEVC符号化方式に対応した8K映像のデコード(復号)を1チップで処理できる LSI「SCH801A」を開発し、サンプル品によるデコード動作を確認したと発表した。

8Kの映像はフルハイビジョンの16倍にあたる約3300万画素での表現を実現し、日本では2016年中に衛星を用いた試験放送が開始される予定のほか、実用放送も2018年から開始される予定となっている。

復号は、圧縮された形で送信されてきたデジタル映像信号をテレビにもとの解像度で表示するために行われる処理だが、従来、複数の高性能プロセッサによる並列処理を行う必要があった。同LSIでは、超高精細度テレビジョン衛星放送の映像符号化方式(ARIB STD-B32 第1部の内のHEVC符号化方式)に対応した8K、60p、1チャネルでのデコードを実現するもので、外部インタフェースにPCI Express Gen2を1レーン、HDMI 2.0-Txを4チャンネル搭載し、テレビ用SoCと組み合わせて利用するものとなっている。今回の試験では、試験用ストリームデータを用いて、8Kデコード処理の動作を確認したという。

なお、同製品については、2016年11月の量産出荷開始を予定しているほか、同社では受信復調や表示制御チップなど、8Kテレビの受信に必要な機能をすべて提供していく予定としているほか、テレビ以外の周辺応用に向けたシステムの開発も進めていくとしている。

8K HEVC映像デコード処理チップ「SCH801A」のパッケージ外観